郷亜里砂が4位「素直にうれしい」W杯代表復帰当確

女子500メートルで4位に入る郷(撮影・黒川智章)

<スピードスケート:全日本距離別選手権>◇第1日◇25日◇青森・YSアリーナ八戸

再び世界にGO。18年平昌五輪女子500メートル8位の別海町出身、郷亜里砂(31=イヨテツク)が同種目で4位に入り、W杯代表復帰を当確させた。五輪後に一度引退し、2季ぶりに復帰。開幕レースの1組目で登場し、緊張で硬くなりながらも38秒70をマークした。タイムには納得しなかったが順位で派遣条件をクリアし「最低限の目標を達成できて素直にうれしい」と笑みを浮かべた。

フツフツとわく気持ちを抑えられなかった。平昌では当時30歳で念願の五輪初出場を果たし「やり切った感じがあった」と一区切りをつけた。その後は愛媛の所属先で若手を指導してきた。違う角度からスケートと接して「あのままやり続けていたらどうなったのかな」と思う日々を過ごした。今春、正式に現役復帰を表明した。

4月からは代表チームに加わった。1年間で筋力が落ち、体重は5キロ減り「力が入らなかった」と苦笑い。ブランク明けの練習はきつかった。リスタートを切ったという新鮮な気持ちもあり「以前とは違った楽しさがある」と食らいついた。氷上には若手の指導で乗っていたため、感覚に違和感はなし。心配していたレース勘には「全体的に体が動いてた」と無事に乗り切った。

会場では多くの運営スタッフから「久しぶり~」と声をかけられ、照れながら笑顔で返した。「五輪前より今の方が気持ちに余裕があって楽しいです」。段階を踏みながら、22年北京五輪を目指す。完成したばかりのリンクで、第2のスケート人生が始まった。【西塚祐司】