進学校の「初心者軍団」県浦和、花園1勝から東大へ

全国高校ラグビー大会で初勝利を目指す、浦和高校の選手たち(撮影・松熊洋介)

第99回全国高校ラグビー大会(大阪・花園)が27日に開幕する。6年ぶり3度目の出場で大会初勝利を目指す県浦和(埼玉)は1回戦で玉島(岡山)と対戦する。中学時代からの経験者は各学年1人だけという「初心者軍団」。大会後は全員が受験を控え、東大進学を希望する選手もいる公立の進学校が、目標の8強入りへ大舞台で旋風を巻き起こす。

◇   ◇   ◇

競技歴数年の選手たちが花園で新たな歴史をつくる。初戦前日の26日、県浦和は京都市内で軽めに練習し、本番への最終確認を行った。部員51人中、中学時代の経験者は3人。3年生で唯一の経験者のNO8松永拓実主将は「最初はやっていたのが自分だけで、歯がゆい思いもあったけど、今は初心者にもていねいに教えてチーム一丸でレベルアップしている」と花園初勝利を見据えた。

19年東大合格者は41人。県内有数の進学校だが、文武両道の校風で、運動部に所属する生徒は多い。ラグビー部も体育の授業に取り入れてる関係から人気は高い。入学時、選手はほぼ初心者。三宅邦隆監督(37)は「ゼロから覚えるため成長も早い」という。10月の県予選は堅守で準決勝では花園13回出場の正智深谷を下すなど、県新人大会、関東大会県予選と合わせて3冠を達成。6年ぶりに大舞台にたどり着いた。

W杯日本大会も花園への士気を高めた。9月にはさいたま市でキャンプをしていたロシア代表からタックル、パスなど直接指導を受けた。1次リーグの日本-アイルランドは練習後観戦。選手たちは「キックの精度やアタックの迫力がすごかった」と世界レベルを知り、刺激を受けた。

もちろん学業もおろそかにはしない。練習後は塾に通わず、自主的に教室で午後9時過ぎまで自習する。ラグビー部でも数人が東大を受験予定だ。その前にまずは全国初勝利。前回出場時の試合を見て入学を決めたという松永は「今まで頑張ってきた先輩方の思いも背負って、泥臭いプレーで勝ちたい」と歴史的1勝へ気合十分だ。【松熊洋介】