運動経験なくてもONE TEAM一員に/花園秘話

坂出第一でマネジャーを務めた山崎彼留斗くん(撮影・真柴健)

<全国高校ラグビー大会:青森山田29-0坂出第一>◇1回戦◇27日◇大阪・花園ラグビー場

楕円(だえん)球に魅了され、心が動いた。坂出第一でマネジャーを務めた山崎彼留斗(かると・3年)に運動経験はなかった。

「中学は美術コンピューター部で、高校2年までは図書部でした。メンバーに誘われて途中でラグビー部に入りました」

2年生のとき、クラスメートだったFB森駿一(3年)に熱心に勧誘された。「ルールも全くわからなかった。でも、ひたむきな姿に感動して(入部を)決めました」。日頃の練習では道具の準備やグラウンド整備、飲料水の補給も任される。

この日は青森山田に敗戦したが「県大会で優勝してくれて、本当にうれしかった。こんな僕を仲間に入れてくれて感謝です」と涙はなかった。試合後は宮田監督と握手を交わした。

同監督は「もう一人の清水マネジャーと2人で、チームサポートを頑張ってくれた」と言う。キャプテンのフランカー片山晃三郎(3年)も「ラグビーの熱さに興味を持ってくれた。今があるのは彼のおかげ」と感謝を忘れない。

間違いなく、「ONE TEAM」の一員だった。【真柴健】