天理大に関東の壁「来年に」主将は思いを後輩に託す

早大対天理大 試合に敗れ、泣きじゃくる天理大の選手たち(撮影・狩俣裕三)

<全国大学ラグビー選手権:早大52-14天理大>◇準決勝◇2日◇東京・秩父宮ラグビー場

前回準優勝の天理大(関西1位)が、またしても「関東の壁」に屈した。伝統校の早大(関東対抗戦2位)に計8トライを献上。84年度まで3連覇した同大以来、関西勢35大会ぶりの頂点はならなかった。

試合後の記者会見場。小松節夫監督(56)は、険しい表情で言葉を紡いだ。

「非常に残念な結果。久しぶりの大敗。昔の同志社、今で言えばウチですが(関西から)パッと出て(全国の舞台で)初めて経験するところ(部分)がある。しっかりとした力をつけて、そういうところも乗り越えないと、関東のチームに比べると(優勝は)難しい」

今季の関西リーグではリーグ戦が8チームとなった1964年(昭39)以降初となる、全試合50得点以上で4連覇。だが、全国の舞台では実力校同士で切磋琢磨(せっさたくま)してきた関東勢相手に苦しむ。

この日も前半10分に先制トライを献上。得点にこそつながっていなかったが、試合開始直後からSO松永拓朗(3年=大産大付)のキックをチャージされていた。SH藤原忍(3年=日本航空石川)も、今季スーパーラグビー「サンウルブズ」でプレーすることが決まっている早大SH斎藤直人主将(4年=桐蔭学園)の圧を感じていたという。

「ギリギリ反則じゃないところで、小さなプレッシャーをかけられた。関西では(同様の圧が)1試合もないけれど(大学選手権では)やり方も変わるし、結構勢いにのまれてしまう」

相手には徹底してラインアウトを攻略され、キック処理でもノックオンが目立った。小松監督は「(相手SO)岸岡くんのハイパントは回転がふらふらとしていて、神経質になっていた」。教え子たちの普段と違う様子を感じ取っていた。

それでも最近の4大会で3度の4強を経験した。「1月2日の秩父宮」を肌で感じ続けているからこそ、フランカー岡山仙治主将(4年=石見智翠館)は後輩たちに思いを託した。

「今までも、OBの方がやってきたことをつないできた。試合に出ている選手がかなり残るので、自分たちの力を出せなかった部分を来年につなげてほしい」

この日の先発15人中、4年生は2人。中でも先発BKはCTBシオサイア・フィフィタ(3年=日本航空石川)ら、全員に来季を戦う権利がある。分厚い壁をぶち破るための準備が、再び始まった。【松本航】