神戸製鋼カーター「感謝の気持ちを」震災から25年

神戸製鋼対サントリー 試合後、大勢のファンにサインする神戸製鋼SOカーター(撮影・前田充)

<ラグビー・トップリーグ:神戸製鋼35-29サントリー>◇第3節◇26日◇ノエビアスタジアム神戸◇観衆2万6312人

2連覇を目指す神戸製鋼が昨季の決勝で勝利したサントリーとの再戦を制し、開幕3連勝を飾った。

17日に阪神・淡路大震災から25年を迎え、初めての神戸開催。試合前には当時の映像を見た。正確な状況判断やスキルで勝利に導いた元ニュージーランド(NZ)代表SOダン・カーター(37)は冷静に言った。

「(11年のNZ)クライストチャーチ地震を経験したので、神戸の方が規模は大きいけれど、個人に対してどんな被害があるのか理解している。今、神戸はきれいな町で素晴らしい町。犠牲があり、人の力でここまできた。ラグビーをしているスポーツ選手として、我々のプレーで感謝の気持ちを伝えようと思った」

デーブ・ディロン・ヘッドコーチは、試合後の記者会見の最後に自らマイクを握り「(震災から)25年というのは本当に重要なもの。7000人近くの方が亡くなられて、その方々のご家族にご冥福をお祈りしたい。神戸の代表として戦うことで、その気持ちが少しでも伝わればと思います」。2万6312人の観衆に全力で思いを届け、2連覇へ弾みをつけた。