<もしもし日刊です>
バスケットボールBリーグは3月27日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で19-20シーズン残りの試合を中止と発表、全日程終了となった。中地区首位を独走し、初の日本一を視界にとらえていた川崎ブレイブサンダースの主将篠山竜青(31)が、インターネットでの取材に応じ、胸の内を明かした。
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悲願の初優勝がお預けとなった。悔しさはあるが、アスリートにも感染者が発生しており、中止の決定に「正しい判断」と理解を示している。また日本代表の主将も務める篠山は東京オリンピック(五輪)延期についても自身の考えを語った。
-中止を聞いた時は
篠山 今年に入って中国でコロナが拡大していたころは、まさか途中で終了するとは思ってもいなかった。NBAも中止になるし、(プロ野球)の藤浪選手(Jリーグ)酒井選手など感染者が身近なところにいると感じている。
-リーグ優勝が見えていた
篠山 チームとしては、中地区優勝と全体勝率も考えていたので準備していたし、無観客でも試合ができればという思いがあった。
-無観客試合を行ったあとリーグと選手会で話し合いを行った
篠山 開催にあたり、選手からいろんな意見があった。(Bリーグチェアマンの)大河さんからも現場の意見を聞かせて欲しいと言われた。各チームで意見を聞いて、選手会で幹部会を開き、内容を確認して話し合いをした。
-話し合ってみてどうだったか
篠山 コミュニケーションも取れたし、距離が縮まったと感じた。その上での判断なので100%納得した。これまではどちらかというと聞くだけのことが多かった。リーグ、選手会にとって大きいこと。今後より良いリーグにできるきっかけになったのでは。
-現在の練習環境は
篠山 4月の2週目くらいから体育館が使えて、食事提供もしてくれる。監督・コーチらスタッフも協力してくれるので、スキルアップのため利用したい。
-いい意味で家族との時間も増えた
篠山 オフでもあるし、ゆっくり過ごせてリラックスできる。ただ走り回りたい子どもを外に連れていけないのは残念。(家事は)今までよりやっている。何もしないと奥さんのストレスになってしまうので。
-バスケットができない子どもへ伝えたいこと
篠山 何が自分で課題なのかを見つめる良い機会。今は情報がすぐに得られるので、ストレッチ、筋トレなどいろんな選手の手法を見て、学んで欲しい。多くの選手がSNSで公開しているので、自分も何かを発信できればと思う。
-バスケット界の発展のためにやろうと考えていることは
篠山 今もチームのSNSでいろいろ発信している。コンテンツをうまく使ってバスケットに限らず楽しいことをやっていきたい。ちょっと前にはやったけど「ビリーズブートキャンプ」のようなものとか。
-五輪も1年延期になった。今後のバスケット界について
篠山 日本代表は世界(W杯)を経験して飛躍的に成長している。若い選手は1年あればもっと成長するし、間違いなく強くなる。
-日本を引っ張るリーダーとして
篠山 スポーツで伝えられるものがある。生きるためだけなら必要ないのかもしれないけど、元気を与えられるのではないかと。みんなで力を合わせてコロナを収束させた後で、いろんなエンターテインメントに参加している人たちとともに元気にさせていければと。
-普段から日本を元気にしたいと話す篠山。お笑いで元気を提供していた志村けんさんが亡くなった
本当にショックです。バカ殿世代ですし、ドリフも再放送とかで見ていた。悲しいけど、追悼番組でまた笑えるんだろうなと。人を笑顔にできるのを仕事にしている人って素晴らしい。
【聞き手・松熊洋介】
◆篠山竜青(しのやま・りゅうせい)1988年(昭63)7月20日、神奈川県生まれ。榎ケ丘小3年時にバスケットボールを始める。北陸高校3年時ウインターカップ準優勝。日大3年時にはユニバーシアード日本代表に選出。11年に東芝(現川崎)入り。17年から日本代表の主将を務める。ポジションはポイントガード。178センチ、78キロ。