楽しく卓球 丹羽孝希ファミリーがスクール開校

活動再開を待つ丹羽孝希の父孝司さん(左)と姉の美里さん(撮影・永野高輔)

「丹羽ファミリー」が地元・苫小牧での卓球普及を目指す。リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)卓球男子団体銀メダリストで東京五輪代表、丹羽孝希(25=スヴェンソン)の父孝司さん(49)が今春、自宅のある苫小牧市内で卓球教室を開校した。新型コロナウイルスの影響で4月下旬から活動自粛中も、6月以降の再開を見据えている。講師は孝司さん、全日本大学選手権3連覇の姉美里さん(26)ら。オリンピアンの家族が、競技の楽しさを伝えていく。

     ◇     ◇

「丹羽卓球スクール」は苫小牧市内の空き事業所の1室で、平日夜間と土、日曜に教室を開講する。卓球台5台を設置。初心者でも気軽に参加できるようにラケットも貸し出す。対象は未就学児から小中高生、一般まで。それぞれグループレッスンを設けるほか、個人レッスンも行う。講師は孝司さんと丹羽の姉美里さん、全道レベルの大会に出場経験がある孝司さんの友人、浪岡宏斉さん(54)が務める。丹羽自身も年に数回、練習参加を予定している。

開校のきっかけは、本州で働いていた丹羽の1歳上の美里さんが、昨春から卓球用具メーカーの札幌営業所で働くようになったこと。美里さんは12、13、14年の全日本大学選手権女子シングルスで3連覇の実力者。孝司さんは「前から地元の苫小牧で教室をやりたかった。私は技術的なことはあまり教えられないが、美里が戻ってきたので、やってみよう」と決意した。孝司さんの49歳の誕生日だった3月29日にスタートし、自粛前までの1カ月弱で既に中高生から一般まで15人ほどが受講している。

孝司さんも20歳から30歳まで選手として全道規模の大会に出場。丹羽が青森山田中に進む前、苫小牧緑小2年から小学校卒業まで指導していた。今回の教室について「息子には相当厳しく接してきましたが、この教室は、たくさんの人に楽しさを感じてもらえる場にしたい」と、競技の普及をベースに考えている。

丹羽の小学生時代、孝司さんは、土、日曜含め毎日午後6時半から3~4時間、みっちり練習させたという。「同じミスを繰り返したときには特に厳しくした。疲れてからが練習。そういうときにいいプレーは出る。きつかったと思うが、孝希は1度も休むことはなかった。泣き言をいうこともなかった」。そんなハードな練習も引き出しに控えつつ「その子の状況に応じた指導をしたい」と、受講者の年齢やレベルに応じ、臨機応変に対応していく。

高い目標を掲げる選手には、相応の指導をする準備もある。孝司さんと美里さんは、こう声をそろえる。「もし、指導していく中で、本当に強くなりたいという子がいたら、ここまでやれば、ここまでなるというのは分かっている。その子や、ご両親の覚悟がないと中途半端になるので、そういうことも話し合った上で、レベルに合わせた指導はできる」。次代のオリンピアン育成をサポートすることも、視野に入れている。

丹羽の幼少期について姉美里さんは「弟は卓球が本当に好き」と振り返る。寝る前まで布団の上でボールの壁当て、1人で体育館に出向き、自分で球拾いしながらサーブ練習をしていたこともあったと言う。自分の目標にあった練習をするもよし、丹羽のように大きな夢を抱き厳しい練習を求めるもよし。どんな人にも門戸を開き、卓球の素晴らしさを広めていく。【永野高輔】

◆丹羽卓球スクール 入会料は3000円。未就学児、大学以上は原則土曜、日曜のいずれか週1回、1時間程度で、未就学児が月5500円、大学生以上の一般が同6000円。小中高校生は週3回、各2時間程度で月1万1000円。入会料不要の個人レッスンは60分3500円。無料体験も随時受け付けている。住所は苫小牧市緑町1の8の11。問い合わせは、丹羽孝司さん【電話】090・2076・5062へ。