異例開幕、完全セルフジャッジでテニスのプロ公式戦

三菱全日本テニス選手権95th 2020で初お披露目された東京五輪パラリンピック本番で使用される全8面のインドアコート。新型コロナウイルス感染対策のため1、2回戦は審判、ボールボーイなしの完全セルフジャッジで行われた。手前は女子シングルス1回戦でサーブする日比野(撮影・小沢裕)

<テニス:全日本選手権>◇28日◇東京・有明テニスの森公園室内コート◇男女シングルス1回戦

異例のスタートだ。テニスの全日本選手権が28日、東京・有明で開幕。東京オリンピック(五輪)のために新たに建設された室内コートを使用し、感染症対策で、密を避けるために、1、2回戦は主審も線審もいない完全セルフ・ジャッジで試合が行われた。6年ぶりの出場となった世界71位の日比野菜緒(25)も「一般になって記憶がない」。

選手が自陣の判定を行い、スコアを自己申告するため、時には、ちょっとしたいさかいが起こることも。この日も、女子シングルスで、マッチポイントで分からない判定があり、微妙な空気が流れた。日比野は、慣れも必要ということで「セルフ・ジャッジの練習をしてきた」という。

また、審判がいないため、結果の裏付けとなる公式記録とも言う正式なスコアカードが存在しない。完全セルフ・ジャッジは、地方のジュニア大会で、早期回戦では行われることはあっても、プロの公式戦、それも日本テニス協会主催大会で行われるのは、異例中の異例だ。