萩野公介が2年ぶり個メ2冠「会心のレース」

男子200メートル個人メドレーで優勝した萩野(右)は砂間と握手(撮影・鈴木みどり)

<競泳:日本選手権>◇第3日◇5日◇東京アクアティクスセンター◇男子200メートル個人メドレー決勝

萩野公介(26)が、2年ぶりに個人メドレー2冠を達成した。

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力まない、抜きすぎない。萩野が、ラスト50メートルを2位砂間と0秒07差で折り返した。「絶対勝ちたい」。昨年6月の休養からの復帰後、最後の自由形で抜かれるケースがあったが、この日は差を0秒31に広げて1分57秒67。微差でも競り勝つことに意味がある。五輪派遣標準記録1分57秒98も復帰後初めてクリアした。

「集中して臨めた。自分で自分をコントロールできた。会心のレースかな」。

これまで自由形で力むと泳ぎが小さくなり、失速していた。「ガムシャラに」は萩野がよく使う言葉だが、マイナス面もある。「力みすぎない、入れるところは力を入れる。これをレースで確かめられた。すごく大きな3日間になった」。

この日は400メートル自由形を回避したが、3日間計8レースの出番を終えた。個人メドレー2冠でともに派遣標準記録もクリア。今大会でよく使った「負けたくない」という言葉の意味について「子どもに戻ったなと思う。勝ち負けがあるこの世界、水泳を楽しんでいる。以前はレースの前に自分自身に負けていた」。その上で「来年はもっともっと大きな泳ぎを見せたい。身長はこれ以上伸びないけど」と明るい声でジョークも飛ばした。【益田一弘】