<体操:全日本選手権兼全日本種目別選手権>◇11日◇第2日◇群馬・高崎アリーナ◇男子予選
オリンピック(五輪)個人総合2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が“予選史上最高演技”を披露した。
東京五輪での金メダルを目指し、種目を絞った鉄棒で、15・533点の高得点をマークした。H難度「ブレトシュナイダー(コバチ2回ひねり)」を2試合連続で成功させ、19年世界選手権優勝者の得点(14・900点)も圧倒する首位通過。代表の座を争う宮地秀享(26)は予選落ちした。男子個人総合は萱和磨(24)が1位で決勝に進んだ。
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「いけるな」。演技に入る直前、鉄棒を前にした確信は現実になった。内村は久々の「ゾーン」に体を沿わせた。「練習通りに身体が動いてくれたので、軽いゾーンといいますか。久々に体験できた」。連戦連勝だったころのような感覚に浸れば、冒頭のブレトシュナイダーも問題なし。腕が伸びた状態でバーをつかむ。離れ技4つをそろえ、「ここまで予選に合わせられたのは、人生でも初めてくらい。ちょっと自分でも驚いています。(得点は)うれしい、率直に。ちょっと出過ぎかな」と笑った。
合わせ方がテーマだった。6種目時代と異なる調整を模索していた。今季3戦目で、今回は「仮想個人総合」を試みた。直前の練習会場で6つの器具に触り、2時間汗をかいた。鉄棒に使う筋肉以外に刺激を入れ、これがはまった。
実はブレトシュナイダーは、予選では回避するつもりだった。2日前、佐藤コーチから「難度を落としても意味がない」と促されて翻意。「『今更言う…』と思ったんですけど。『信じてやるわ』と。それがこの結果。自分1人だけでやった予選じゃないなと」。
一緒に高めあう。開幕前の練習でも、鉄棒で代表を争う宮地と意見交換に積極的だった。今でも好きな漫画は「ドラゴンボール」。「(主人公が)強いだけじゃない。みんなが自分も一緒にやりたいなというか、ついてきてくれる。ワンマンじゃないところがすごく格好いいと思う」。それは今の姿に重なる。
ひねり技の精度などを改善点に挙げ、自己評価は「65点」。予選最高はあくまで予選。「次ももっともっとと期待されるので、応えていかないと」。13日の決勝では「決勝史上最高」に挑む。【阿部健吾】