ラグビー元三洋電機ワテソニ・ナモアさん54歳死去

91年、三洋電機・ナモアを振り切り右タッチライン沿いを独走、同点トライを決めた神鋼・ウィリアムス(左)

ラグビー、トップリーグ(TL)のパナソニックは21日、元三洋電機でトンガ出身のワテソニ・ナモアさんが急性心筋梗塞により死去したと発表した。54歳だった。葬儀・告別式は未定。

ナモアさんは10人の兄弟姉妹の末っ子で、5歳の頃からヤシの実をボール代わりにラグビーに熱中した。85年に政府の留学生として来日。大東大では同じトンガ出身のラトゥ・ウィリアム志南利(しなり)さんらと「トンガ旋風」を起こし、2度の大学日本一を経験した。日本語が話せなかったため「読み書きそろばん」を始め、そろばん塾では小学生に交じって勉強に励み2級を取得した。

卒業後は三洋電機に入団し、俊足BKとして活躍。91年1月の全国社会人大会決勝の神戸製鋼戦では、16-12で迎えた後半43分にイアン・ウィリアムスの襟に触れたが約50メートルの独走トライを許し、逆転負けした。 97年3月に三洋電機を退団。現役引退後は、群馬県邑楽町でラグビー教室などを開催し、日本とトンガの懸け橋となっていた。