<ノルディックスキー:ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子>◇個人第20戦◇13日(日本時間14日)◇ポーランド・ザコパネ(ヒルサイズ=HS140メートル)
小林陵侑(24=土屋ホーム)が合計268・9点で今季初勝利を挙げ、所属先の先輩でもある葛西紀明(48)が持つ日本男子最多記録の通算17勝に並んだ。優勝は19年12月29日のドイツ・オーベルストドルフ大会以来37戦ぶり。今季は最高6位で表彰台にも立てない試合が続いていたが、W杯デビューの地でついにレジェンドに肩を並べた。
◇ ◇ ◇
小林陵がぐっと左拳を握った。1回目136・5メートルを飛び4位で折り返し、迎えた2回目。雪が降る中、飛び出した。空中姿勢を崩さず、テレマークもしっかり入れた着地。距離は134・5メートルとまとめた。得点を確認すると納得の表情でガッツポーズを見せた。2位と0・3点差の僅差で逆転勝ち。テレマークを決めたことが勝因の一つになり、レジェンドに並ぶW杯17勝目を挙げた。
19年12月に葛西の記録にあと1つと迫ってから昨季は足踏みが続き、今季も開幕から調子が出なかった。1年以上遠ざかった表彰台の中央に立ち、「すごくうれしい。長かった」と喜んだ。競技開始前に故郷の東北地方を中心に震度6強の地震があった。「1本目を飛ぶ前に(岩手の)実家に連絡した。大丈夫だったみたい」と、不安を取り除いて競技に臨んだ。
ザコパネは16年1月24日、19歳で初めてW杯に出場した場所で、いきなり7位に食い込む鮮烈デビューだった。そこからさらに成長し、18~19年シーズンには初勝利から一気に13勝をマークする強さで、日本男子史上初のW杯個人総合覇者にまで駆け上がった。勝てない時期はあったが「イメージは悪くなかった」と、思い出の地で再び輝きを取り戻した。
小林陵にとって葛西は「師匠。いろんなことを教わった。全てが今につながっている」とあこがれの存在だ。記録に肩を並べてもあらためて「監督(葛西)は監督で、その時その時のつらいこともあったと思う。やっぱり尊敬しますね」と話した。葛西も「早く抜かして欲しい。どんどん勝って欲しいですね陵侑には」と愛弟子にエールを送っていた。次の1勝は師匠を超える単独最多18勝目となる。