池江璃花子×是枝監督 動画“センターレーン”公開

是枝裕和監督による動画が公開された池江(SK-II提供)

白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が29日、映画監督の是枝裕和監督とのコラボレーション動画が公開された。

復帰までの道のりと、池江の今を表現した約5分の映像で、池江は「何かひとつのちょっとだけ違った行動をすることで運命とか未来って簡単に変わると思っている」と語った。

映像では入院、復帰直後、そして現在の池江が登場する。題名は「センターレーン」。予選で最速タイムを出した選手が立つ第4レーンのことで、池江は「自分のコース、自分のためのコース。だけど皆にどうしても勝てないので、今は。自分の中にいるネガティブな気持ちが自分の中の敵かな」と復活への途上にあることを告白。さらに「最悪な未来は泳げなくなること。この病気は5年たって再発しなければ、完治っていう。自分が何かできるわけではないけど、再発しないことを願って。これでもう泳げなくなったら水泳と関わるかわからないので」と率直な心境を語っている。

その上で「自分が泳いでいるだけで勇気をもらったといってくださる方もたくさんいるので。だけどよく考えたら周りの人たちのために泳いでいるわけじゃなくて、自分が水泳が楽しいから泳いでいるのであって、人に左右される話ではないのかなって思ってます」。3歳から始めた水泳の喜びについて口にしている。 映像は、化粧品メーカーSK-IIとコラボレーション企画。昨年5月にベリーショートの髪形を披露したことに続くものとなった。同社は東京五輪ワールドワイドパートナー「P&G」のグループ企業でもある。

池江は、東京オリンピック(五輪)代表選考を兼ねた日本選手権(4月3~10日、東京アクアティクスセンター)に出場する。大目標である24年パリ五輪の途上に、東京五輪がある位置付けだ。「出場するからには結果を出したいですが、まずは自分の力を発揮できるように頑張りたいです。つらいからもう辞めたい、諦めたいと思う時もあるのですが、それを乗り越えたら未来は変わっている。自分が本当にこうなりたいと思えば、そういう風に運命は変わってくると思います」とコメントしている。【益田一弘】