競泳キング・アリシア強豪神奈川大へ 大学日本一から24年パリ五輪目指す

7日の日本選手権女子100メートル自由形予選でスタートを前に気合を入れるキング・アリシア(撮影・菅敏)

<春START UP(7)>

19年に競泳女子100メートル自由形の北海道記録を更新した旭川実高出身のキング・アリシア(18)が今春、競泳の強豪神奈川大に進学した。3日に入学式を終え「強い先輩がたくさんいる大学。その背中を追いかけながら一緒に成長したい」と意気込んだ。札幌市出身で08年北京オリンピック(五輪)平泳ぎ代表、種田恵の出身校で、昨秋の日本学生選手権女子総合優勝を果たした大学で力をつけ、24年パリ五輪出場を目指す。

19年7月、JOC夏季予選会タイムトライアルの女子100メートル自由形で56秒49の北海道新(長水路)をマークした。だが、その後に臨んだ8月のJOCジュニア五輪杯15-16歳100メートル自由形は、56秒97と自己ベストに届かず4位に終わった。中学でも全国での最高成績は3年時の全国中学200メートル自由形4位。「全国の表彰台やメダルにあと少し届かず、泣いてばかりだった。大学では、あともうひとかき踏ん張れる気持ちの強さを身に付けたい」と気を引き締めた。

昨年はコロナ禍で全国高校総体など主要大会が軒並み中止。高校総体は2年時の200メートル自由形6位が最高で、表彰台に立てないまま、高校最終学年が終わった。「悔しかったが今は切り替えている。大学で成長して、高校で果たせなかった1番になりたい」と、大学日本一を目標に掲げた。

スイマーとしての自身の長短所は、しっかり頭に入っている。「ひとかきの伸びが大きいのが自分の特長だと思っている。逆に序盤でスピードに乗れない。どんなレースでも、前半から勢いをつけられるような選手になりたい」。7日には日本選手権100メートル自由形に初出場も全体26位で予選敗退。「五輪選考会という独特な雰囲気の中で泳げたことは貴重な経験。将来は私も五輪で泳げるような選手になりたい」。ここからオリンピアンへの階段を上がっていく。【永野高輔】

◆北海道出身の五輪女子スイマー 1号は92年バルセロナ大会400メートル個人メドレー(5位)などに出場した平中秀子(三笠市出身)。96年アトランタ大会では平中とともに、遠軽町出身の田中雅美が200メートル平泳ぎ(5位)などに出場。田中は00年シドニー大会400メートルメドレーリレーで銅メダルを獲得。08年北京大会では、札幌市出身の種田恵が200メートル平泳ぎ8位。

◆キング・アリシア 2003年(平15)1月19日、旭川市生まれ。イギリスにルーツを持ち、ミドルネームはロザリンド。5歳時に旭川市のスポーツアカデミーシーナで水泳を始める。旭川陵雲小から旭川広陵中に進み、3年時の全国中学女子200メートル自由形4位。旭川実では19年7月のJOC夏季予選会タイムトライアル女子100メートル自由形で56秒49の北海道新(長水路)をマーク。趣味は映画観賞。血液型O。家族は母と妹。168センチ、58キロ。