代表セッター籾井あき、デビュー時の本音吐露 黒後愛と何度も話したワケ

バレーボール女子代表のセッター、籾井(もみい)あき(20=JT)が13日、オンライン会見で今月下旬から行われるネーションズリーグ(イタリア・リミニ)に向け「チームとして全員で1点を取ることにこだわっていきたい」と意気込みを見せた。

代表デビュー戦となった中国戦(1日)について籾井は「2カ月くらいしかやってないメンバーで戦うことに、大丈夫かなという気持ちが大きかった」と本音を吐露した。

試合中にはエース黒後愛と何度も話す光景が目立った。その理由を問われて「どういう場面で(トスを)欲しいのかにズレがあると、勝負どころで使い切れないことがあるので。アタッカーがどういう特徴なのか知るためにもコミュニケーションを取るようにしています」と答えた。

小学校2年の頃に自宅近くにバレーボールクラブを見つけ競技を始めた。八王子実践の1年生の時にスパイカーで出場した春高で、全国レベルの壁を実感。2年時からセッターに転向した。アンダーカテゴリーでは1度代表合宿に参加したが、当時は両親の母国であるペルー国籍。祖父が日本国籍だったことから、母と共に生まれも育ちも深い縁のある日本を選ぶことを決断した。それでも手続きには2年以上かかった。海外の親戚の協力も得て、19年のJT入団後に日本国籍を取得した。

1年目のVリーグ開幕戦でいきなりスタメンに抜てきされた。優勝に貢献し、ベスト6にも選ばれた。2年目の今季も皇后杯を制し、迎えたVリーグ決勝では高い位置からの巧みなトスワークを見せ、アタッカーのスパイクを引き出した。 代表に招集されてから指揮官から口酸っぱく言われるのは、ストーリー性のあるトスワーク。最後の1本を誰に託すのか。試合状況を踏まえながら組み立てるのは、所属チームでも常々言われてきたことだった。籾井は「知さん(JT監督の吉原知子)も久美さんも、結局1番大事なのはそこなんだな」としみじみと語っていた。

1日の代表デビュー戦はストレート負けとほろ苦いものとなったが、中田監督は「これからのバレー界にも担う選手」と評価は高い。正セッターの可能性についても「籾井に対してはその可能性はゼロではない」と話し、25日開幕のネーションズリーグでの活躍を期待している。

オリンピックについて籾井は「まずは自分が成長するということが1番に思っていることで、その延長にオリンピックがあると思っています」。国籍選択の際に支えてくれた家族のためにも、「感謝の気持ちをバレーボールで伝えたい」とひときわ気持ちを込めた。

 

◆籾井あき(もみい・あき)2000(平12)年10月7日、神奈川・相模原市生まれ。アンダーカテゴリー時代は両親の影響でペルー国籍だったが、19年JT入団後に日本国籍を取得。特技はスペイン語が話せること。176センチ、65キロ。最高到達点285センチ。