B1新潟五十嵐、残留か移籍か「すべてをフラットに考える」熟慮のオフ

シーズンの振り返りと、今後について語る五十嵐

B1新潟アルビレックスBBのPG五十嵐圭(41)が今季を振り返りながら、来季の自身についての心境を語った。新潟在籍は節目の5季目を終えた。チームは16勝38敗で東地区10チーム中9位。クラブ幹部のパワハラ問題など、来季はクラブそのものの再生が課題になっている状況を理解しつつ、選手としての自身の可能性も探る。残留か移籍か-。「すべてをフラットに考える」と熟慮のオフを迎えている。

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-オフの過ごし方は

五十嵐 チャンピオンシップ(CS)をテレビで見たり。妻が仕事の時は僕が息子の子守をします(笑い)。

-41歳の誕生日に現役続行意思を示した。来季への思いは

五十嵐 フラットに考えながら決めたい。新潟に5年在籍し、今季は創設20周年に携わることができたのはありがたいことです。新潟に強い思いがあります。その上でいろいろ考えてみようかなと。まだ体が動くし、自信もある。現役として残された時間は限られています。最適な選択をしたい。新潟は1番に考えています。だからこそ、会社に大きなビジョン、編成などすべてを聞いてみたい。

-今季は選手が大幅に入れ替わり、監督も交代して臨んだシーズンだった

五十嵐 変化が大きすぎて、基盤がなくなった感じがしました。チーム始動時は攻守の切り替えの速いチーム作りが進んでいました。それをプレシーズン戦前になると徹底できず、そのままブレてしまった。

-個人成績は1試合平均で7・5得点、4・1アシスト。1月に左太ももを負傷し、6試合欠場も。ただフィールドゴール成功率42・6%、フリースロー成功率87・1%は中地区優勝の18-19年を上回った

五十嵐 毎年目標に掲げる15得点10アシストには及ばなかったし、ケガもあった。ただ、試投数は少なかったけど成功率は悪くないと思います。常にB2降格は避けなければという思いでやってきた。(コロナ禍でのレギュレーション変更で)降格がない今季、経験の少ない若手が増えた。自分で勝負して点を取りに行く場面も、彼らをどう生かすか、任せた方がいいのかなと考えることがありました。降格がなかったのは僕には思っていたより大きかった。

-前社長による監督へのパワハラ問題。相手チームに新型コロナウイルス陽性者が出て2週間活動停止に、6試合消滅も

五十嵐 いろいろあって周囲には心配する声が多かったです。「チームは大丈夫?」と。でも、選手は試合にも練習にも集中していました。

-5年の在籍でクラブについて感じたことも

五十嵐 3年目で中地区で優勝しCSに初進出。(準々決勝敗退し)次のシーズンはCS準決勝進出を目標にしていいところを、またCS進出に戻ってしまった。目指しているところをはっきりさせないと。そこに向けて会社、チーム、ファン、関係者の全員が一枚岩にならないと勝てる組織にならない。

-ファンへの思いは

五十嵐 感染リスクがある中、しっかり対策をして会場に来て、今までと同じような雰囲気で応援してくださり、本当にありがたいです。その分、期待に応えられず申し訳ないです。一緒になって戦えたことに感謝しています。【聞き手・斎藤慎一郎】

◆五十嵐圭(いがらし・けい)1980年(昭55)5月7日、上越市生まれ。直江津東中から北陸高(福井)に進み、中大へ進学した。3年時にインカレで準優勝。卒業後は日立に入社。06年は日本代表として世界選手権に出場。09年にトヨタに移籍し、10年から三菱電機名古屋に所属。16年に新潟に移籍。ポジションはPG。180センチ、73キロ。背番号7。