昨年躍進桜美林大、目標日本一へ「厳しい状況」コロナ禍でチーム作りに遅れ

TDを決める桜美林大RB山田(撮影・河合香)

<アメリカンフットボール関東大学春季オープン戦:桜美林大21-16中京大>◇16日◇富士通スタジアム川崎

桜美林大が逆転で今春最後の試合を白星で飾った。前半は中京大に先制FGを許して0-3で折り返し。後半にファンブルリターンTDで逆転し、さらにランで2TDを追加した。ランとパスで2TDと反撃されたが、21-16で逃げ切った。

前半はダウン更新が1度だけと攻撃がさっぱりだった。守備はゴール前1ヤードでのランでファンブルを誘ってピンチをしのいだ。逆転のTDも守備。QBをロスタックルするとファンブル。このボールをDB坂本が、26ヤードのリターンでTDした。

5点差とされた終盤にはランでファンブルロストし、自陣ゴール前6ヤードでの守備と大ピンチを迎えた。QBサックを浴びせて交代させ、第4ダウンギャンブルのパスは坂本が今度はインターセプト。勝負どころでの守備で勝利をつかんだ。

昨季はブロック1位となり、1位決定戦では日大と対戦した。敗れはしたが1度は逆転などチームは大躍進した。12年から特別強化クラブに指定され、リクルートや環境整備で強化。掲げた目標が創立100周年に日本一で、10年目の今季がその年になる。関口監督は「もちろん勝ちにいくが、厳しい状況とも言える。まずは入替戦回避」と控えめに話した。

春先に新型コロナウイルス感染者が2度出て、そのたびに2週間活動を自粛した。関口監督は「ほぼ1カ月遅れでスタートし、仕上がりが遅い。主力にけが人もあってまだまだ」という。ミーティングなどもコロナ禍で制限され、コミュニケーション不足もある。

攻撃はOLが3人抜けて再建色が強い。攻撃獲得距離は中京大の半分しか稼げず。昨季1年ながら関東2位にけん引のQB水越も「勉強家だが考えすぎの面が出ている」と切れを欠いた。パス獲得はたった14ヤードに終わった。

その中でもリクルートの成果でほとんどが経験者の23人が入部し、即戦力として出場した。昨季高校日本一の佼成学園からは5人。RB加嶋は決勝となるTDを挙げ、QB近田も出場した。関口監督は「1年は9年目で一番充実している。秋には数人先発に入ると思う。QBは水越と近田の争い」と期待した。