宇野昌磨「期待に応えたいと」4回転ループを再挑戦させた後輩の存在

フリーで演技する宇野(撮影・垰建太)

<フィギュアスケート:ジャパンオープン>◇2日◇さいたまスーパーアリーナ

フィギュアスケートで平昌五輪(オリンピック)男子の銀メダリスト宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が今季初戦で高難度プログラムに挑んだ。

フリーの「ボレロ」の楽曲に組み込んだのは、4回転ジャンプが4種類で5本。冒頭からループは転倒、サルコーは2回転と失敗が続いたが、「気持ち的にも追い込まれる中で踏みとどまった」。演技後半のフリップ、トーループを決めきって、最後のステップまで滑り抜いた。得点は181・21点。演技後には10回以上うなずいた。

「できすぎることもなく、できなさすぎることもなく、できているジャンプは試合でやることができた。緊張で力が入る、不安で体が動かなかったなかで。ただ、偶然できても仕方ない。心構えはいまの自分を知るでした。できすぎるかも、できなさすぎるかも。でも、ベストな練習してきたと思うので、この試合をもってどう改善するか、持続的にやるか。いろんなものを再確認できた」。失敗に下を向く必要はない。大きな収穫を得た。

再び4回転ループに挑戦し始めたきっかけについても触れた。後輩の鍵山優真の存在だった。

「ループはあきらめた期間もあった。サルコーの調子が良い時にループまでやる日はあったんですけど。でも、優真くんと一緒に練習するようになって、彼がループとルッツを下りてて、3種類だと置いていかれると。彼にとって、僕が尊敬されているからこそ、期待に応えたい、真剣にループ跳びたいと。それから1週間くらいで跳べるようになった。本当に気持ちは大きいなと思いました」。

21年世界選手権で銀メダルを躍進した後輩の存在こそが、何よりの刺激だったと明かした。

大会は男女の選手が各6人の2チームに分かれ、フリー演技の合計点で争う対抗戦。宇野が主将を務めたチームブルーが合計896・86点で、841・12点のチームレッドを下した。