郡山女大付V6、エース本田21得点 男子は郡山北工が5年ぶり10度目V

女子決勝・第1セット、スパイクを放つ郡山女大付・本田

<全日本バレーボール高校選手権・福島県代表決定戦>◇25日◇男女決勝◇福島トヨタクラウンアリーナ

心は熱く、凜(りん)としたエースが、2度目の“V6”に導いた。女子は郡山女大付が福島成蹊に3-0でストレート勝ち。6年連続23度目の優勝を決めた。エース本田凜(3年)が多彩な攻撃で21得点をマークし、大車輪の活躍を見せた。男子は郡山北工が光南に3-0でストレート勝ち。5年ぶり10度目の頂点に立った。優勝した両校は来年1月5日、東京で開幕する全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)の出場権を獲得。これで東北6県の代表校がそろった。

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福島の高校バレーを席巻する郡山女大付が、同校2度目の“V6”に輝いた。第1セット(S)からサーブで相手を崩し、高さのある守備とパワフルな攻撃で主導権を握った。第3Sのマッチポイントは相手のミスで得点し、優勝の瞬間はベンチメンバーもコートに駆けつけて喜んだ。佐藤のあ主将(3年)は「(部員)19人で春高にいけることが本当にうれしい」と声を弾ませた。

絶対エースの本田が実力を見せつけた。178センチの長身とバネのあるジャンプで最高到達点は296センチを誇る。相手からマークを受けても序盤から、勢いのあるスパイクや時間差などの多彩な攻撃で得点を積み上げた。1年から全国舞台を経験。「以前はどんな状況でも強く打つことが多かったが、ブロックを見るなど、相手と駆け引きができるようになった」と成長を実感。集大成の最終学年でも春高切符を手にした。

7月下旬。2大会連続で出場した全国高校総体は、予選グループで松山東雲(愛媛)にストレート勝ち。だが、決勝トーナメント1回戦で佐賀清和に1-2で逆転負けした。「自分が点数を取って後ろに回れば、1年生も思い切ってプレーできたと感じた」とエースとしての自覚が増した。得点力アップへ。常に複数のブロックを意識しながら練習に取り組み、攻撃の精度を高めた。佐藤主将も「(チームに)なくてはならない存在」と信頼を寄せる。

過去2年の春高は初戦で敗退。3年生はまだ勝利を知らない。本田は「どこが相手でも勝ちたいし、自分のプレーができないことが悔しいと思うので、自分たちのベストを尽くした上で勝ちたい」。ラストチャンスを必ずものにし、仲間と喜びを分かち合う。【相沢孔志】

◆男子は郡山北工が昨年は敗れた決勝で雪辱を果たした。

久保木颯士主将(3年)が、スパイクとフェイントを交えた攻撃で貢献。第3セット、優勝を決める得点を奪い、「1、2年の時は自分が決められなくて負ける場面が多かった。自分が最後の得点を取るという気持ちだった」と振り返った。180センチ台の選手は3人と小柄なチームだが、今夏の全国高校総体では洛南(京都)に1-2で惜敗も、自信をつけた。春高に向け「目標はベスト8。コンビバレーの精度を高めていきたい」と力を込めた。