スケボー13歳草木ひなの初V 大技決め3代目パーク女王「私はまだまだ」

囲み取材で笑顔を見せるパーク女子優勝の草木ひなの(撮影・滝沢徹郎)

<スケートボード:第4回日本スケートボード選手権大会>◇12日◇パーク女子◇決勝◇茨城・ムラサキパークかさま

地元茨城出身の草木ひなの(13)が、48・67点で初優勝した。30代、40代の「おじさんたちと一緒に練習している」という中学1年生は、大技「540」を公式戦で初成功させるなど他の選手を圧倒した。2位(45・33点)は小川希花(20)、3位(39・30点)は長谷川瑞穂(11)だった。

大きな皿やおわんを組み合わせたコースを滑るパークで、予選、準決勝と首位通過した草木が勢いそのまに完全優勝した。練習してきた大技も決めての栄冠に「めちゃくちゃうれしいです」と喜んだ。

1本目の試技で違いを示した。今夏の東京オリンピック(五輪)でも金メダルの四十住さくら(19=ベンヌ)や岡本碧優(15=MKグループ)が見せた「バックサイド540」を披露。空中で1回転する難易度の高い技を公式戦で初めて成功させると、48・67点をマーク。この日最高得点となり、その後も抜かれることなく優勝が決まった。

競技歴はわずか4年。きっかけは作ったのは母だった。「スケボーはもともと大嫌いだったけど、お母さんに負けたくなくて」と練習に打ち込み、地元のパークに通った。同世代がほとんどいない中、年の20歳以上離れた大人たちが格好の教材になった。「おじさんたちと一緒に練習しています。うまい人と滑らせてもらっているのが良かった」と元気に答えた。

4回目の日本選手権だが、パークは今回が3回目の開催。初代女王は四十住、2代目は開心那(ここな、13=WHYDAH GROUP)と五輪メダリストが並ぶ。3代目に輝いた13歳にも期待がかかるが「世界から見ると、私はまだまだ。これからもっとうまくなっていきたい」と、貪欲な姿勢を崩さない。

◆草木ひなの 2008(平20年)年4月4日、茨城・つくば市生まれ。母の影響で小学3年の頃にスケートボードを始める。「スケートボードはもともと大嫌いだったけど、お母さんに負けたくなくて」と地道に練習に励む。体を動かす子が好きで、水泳、アクロバット、ダンスなど他競技にも親しんでいる。