金メダリストの経験を全国各地に“出張指導”する。ソフトボール女子日本代表として東京オリンピック(五輪)で金メダルを獲得した山本優三塁手(33=ビックカメラ高崎)が26日、石狩市内の屋内施設で、北海道内の小中学生相手に、現役引退発表後、初の指導を行った。北海道協会の競技力向上合宿の講師として招かれ、チームメートの勝股美咲投手(22=ビックカメラ高崎)と約2時間、生徒約30人を相手に、熱血授業を繰り広げた。
捕球の練習では「腰の高さは、自分のやりやすい高さを探そう。低すぎても高すぎてもよくない」と指導。自身の経験に基づくもので「私の隣で守る(日本代表遊撃手の)渥美(万奈)と私の構える高さも、まったく違う。動きやすいポジションで構えないとケガにつながるので」と説明した。受講した北見北中の久保木愛渚(あいな)捕手(2年)は「捕球の位置を、ご飯を食べるときの様子に例えてくださったり、説明が分かりやすかった。捕る、投げる、打つのどれも勉強になりました。チームに持ち帰り、みんなと情報共有したい」と喜んだ。
山本は12月いっぱいで所属のビックカメラ高崎を離れ、年明け1月からは、フリーの指導者という立場で、普及活動を行っていく。「ソフトボールの楽しさを1人でも多くの人に知ってもらえたら。呼んでいただけたら北海道のどこでも、当然、全国のどこへでも指導にうかがいたい」と、全国各地への出張授業を、新たな取り組みに掲げた。今後は北海道ソフトボール協会(電話011・820・1675)を窓口に、教室や講習会の依頼を受け付ける。
ソフトボールは、24年パリ五輪では正式種目から外れる。競技人口も減っている中、自身が金メダルを獲得した瞬間の姿を、お笑いコンビのナイツが、漫才のネタに使っていたことを知った。「私たちのことを見て、調べてくれたことが本当にうれしかった。ソフトボールへの認知が、もっと広がるきっかけになってくれたら」と感謝。ナイツに負けじと、自らも全国を行脚し、世界一の技と思考を、子どもたちに楽しく伝えて回る。【永野高輔】