廃部決めた日本電産サンキョー「目的についての展望持てないと判断」高木菜那は2日前に感謝投稿

スピードスケート女子団体追い抜きで銀メダルに終わり涙を流す、左から佐藤、高木美、高木菜(22年2月15日、撮影・菅敏)

日本電産サンキョーが1日、スケート部を廃部すると発表した。同部は1957年(昭32)に創部して以来、オリンピック(五輪)のスピードスケートで金3個、銀2個、銅3個の計8個のメダルを獲得した名門。北京五輪には女子団体追い抜きで銀メダルを獲得した高木菜那(29)が出場していた。3月31日をもって廃部する。

同社は廃部理由について「近年強いリーダーの不足に加えて、ここ数年スケート選手を目指す若者も減り、そのレベルも落ちてきたことから、企業がスピードスケート競技の発展に貢献するという当初の目的についての展望が持てないと判断した」とコメントした。

高木菜は2日前の写真投稿サイト、インスタグラムに同社のスケートスーツでリンクを滑る自身の写真をアップし「高校を卒業してから10年間、私が夢に向かって走り続けてこられたのは会社のご支援、ご声援があったから」と感謝のメッセージをつづっていた。

同社所属で初の五輪メダリストとなったのは94年リレハンメル大会の宮部行範で、男子1000メートルにおいて銅メダルを獲得。98年長野大会では清水宏保が男子500メートルで金、1000メートルで銅を取った。10年バンクーバー大会では男子500メートルで長島圭一郎が銀、加藤条治が銅を獲得した。

18年平昌大会では高木菜が女子団体追い抜きとマススタートで2冠を達成した。【三須一紀】

◆日本電産サンキョースケート部

1957年に「三協精機スケート部」として創部。現在の構成は選手8人、監督1人。主な戦績は

▼92年アルベールビル五輪 宮部行範 男子1000メートル銅メダル

▼98年長野五輪 清水宏保 男子500メートル金メダル、1000メートル銅メダル

▼10年バンクーバー五輪 長島圭一郎 男子500メートル銀メダル、加藤条治 男子500メートル銅メダル

▼18年平昌五輪 高木菜那 女子団体追い抜き金メダル、マススタート金メダル

▼22年北京五輪 高木菜那 女子団体追い抜き銀メダル