体操男子で五輪個人総合2連覇など偉業を遂げた内村航平(33=ジョイカル)が12日、現役生活に別れを告げた。リオデジャネイロ、東京の両五輪の代表選手らと演技した「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(東京体育館)で、2年半ぶりの6種目を完遂。「ここで終わりより、新しい一歩を踏み出す。すごく前を向いています」と顔を上げた。
【写真特集】内村航平、6種目の競技人生最後の演技を披露 リオ&東京五輪メンバーも集結>>
「う~ん、何でしょうね、考えておきます」。今後の肩書を聞かれると宿題にした。この日で現役生活を終えたが、これから先に描く像は、可能性に満ちる。
「体操にいろんな分野で関わっていたい。表に出なくても、体操に関することは『裏で全部関わっているらしい』といううわさ(が出る)程度で、それがいいかな」。
まずは研究。練習は続け、競技者でないからこそ、新技や、従来の技の効率性を解析をする。それを後輩などに伝承する。実際、この日の演技でも、つり輪の着地が乱れた場面に「止めてない時点でまだまだ。まだまだ進化できる」とも。
競技の普及、価値向上もより積極的に取り組む。今回は、国内では初の演出にこだわった。暗転した会場で1つの種目だけに光を当てたり、演技直後に自ら演技解説をし、「オタクの知識を知ってもらおう」と競技の深さも伝えた。
引退舞台にして、新機軸を打ち出す姿。出演した仲間、後輩も「試合でもこうだったら」と士気を上げる姿もあった。約6500人と満員の会場の空気感を作り上げ、発信した事実。「体操というジャンル全てに関わる」。その一生の命題にとって、見事な一歩だった。【阿部健吾】