高木美帆長期充電へ「8年間フルに、休む時間取りたい」北京五輪5種目挑戦で「枯渇」来季も未定

北京五輪で獲得したすべてのメダルを手に笑顔を見せる高木美帆(2022年2月18日撮影)

先月行われた北京オリンピック(五輪)でスピードスケート5種目に出場し、金メダル1個、銀メダル3個を獲得した高木美帆(27=日体大職)が充電期間に入ることが14日、分かった。

関係者によるとシーズン終了後、わずか半月程度のオフ期間だった例年に比べ、長期間になる見通し。国内外問わず来シーズンの大会に出場するかについても、現時点では未定だという。

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高木美帆が挑んだ壮大な北京五輪シーズンが有終の美で幕を閉じた。13日(日本時間14日)、オランダ・ヘーレンフェインで行われたW杯最終戦の女子1000メートルで1分13秒28を記録して優勝。今季W杯は1500メートルと合わせて6勝となった。

レース後の会見で「北京にマックスのエネルギーを注いだので枯渇している。8年間フルにやってきたので休む時間を取りたい」と語った。18年平昌五輪を挟んだ8年間はシーズン終了後、わずか半月程度のオフ期間を経て、トレーニングに入る厳しい競技生活を送ってきた。

しかし、北京での挑戦は過酷さを極めた。五輪では92年アルベールビル五輪の橋本聖子以来となった500メートルを含めた5種目出場。その上で4個のメダルを獲得する道のりは大きな代償となった。関係者によると、高木美は心身ともに全てを絞りきった状態で、次のステップに向けて冷静に考えるためにも十分な休養期間が必要だった。

W杯最終戦後の会見では「現時点で(今後について)決めることは得策ではない」と述べた。平昌後には「モチベーションが上がらない中でシーズンを続けた」と明かし、「この先どうなるかも含めて、ちょっと考える時間と休む時間を取りたい」と話した。

平昌では1大会で金銀銅を獲得し、北京では1000メートルで自身初となる個人種目の金メダルを獲得。計7個は夏季も含め、日本女子最多のメダル獲得数という偉業だった。【三須一紀】