<ノルディックスキー:ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子>◇個人最終第28戦◇27日◇スロベニア・プラニツァ(ヒルサイズ=HS240メートル)
小林陵侑(25=土屋ホーム)が3季ぶり2度目のワールドカップ(W杯)個人総合優勝を決めた。今季最終戦を合計423・7点の8位で終え、総合首位。今季8勝、出場全試合でトップ10入りの安定した成績を残した。年末年始恒例の伝統のジャンプ週間で2度目の総合制覇。北京オリンピック(五輪)ではノーマルヒルで金、ラージヒルで銀メダルを獲得。「(五輪金メダルとW杯総合と)どっちも取っちゃって、すごいシーズンになった。うれしい」。まさに主役となるシーズンだった。
日本ジャンプ界の歴史をまたも動かした。18-19年に日本男子初の個人総合優勝を果たして以来の頂点に返り咲いた。シーズン序盤はスーツ規定違反による失格や新型コロナウイルス陽性判定の影響で計3試合を欠場したが、その遅れもカバーした。五輪で出場種目の終了後に「いいパフォーマンスを続けられればチャンスはあるので頑張りたい」とW杯総合Vを目標に掲げていたが、しっかりと有言実行した。
海外遠征がスタートした昨年11月から1度も帰国せず、シーズンを完走した。1月に予定されていたW杯札幌大会中止が決まり、師匠の葛西紀明には「日本に帰りたい」と弱音を漏らしたこともあった。欧州勢はシーズン中に帰宅もできるが、日本勢は不可能。「タフなシーズンだった」と振り返る。北京五輪の現地でレジェンドから差し入れされたカニやウニのみそ汁などを携え、シーズン後半に向かった。2個の五輪メダル、ジャンプ週間総合優勝で手にした黄金のワシのトロフィー、W杯総合優勝の称号クリスタルトロフィー…。たくさんのお土産とともに帰国する。