柔道男子日本代表の鈴木桂治監督(41)が1日、オンラインで報道陣の取材に応じ「バチバチの対決を見たい」と24年パリ五輪(オリンピック)に向けた競争激化に期待した。
翌2日から始まる全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)の前日記者会見。国内の各階級トップ8人が日本一を争う大会で3日の男子には、昨夏の東京五輪で金メダルを獲得した60キロ級の高藤直寿、66キロ級の阿部一二三(ともにパーク24)と81キロ級の永瀬貴規(旭化成)が出場する。
一方で、例えば66キロ級には、世界選手権2連覇の丸山城志郎(ミキハウス)。一昨年12月のワンマッチで阿部と東京切符を争った男が「心技体そろった柔道家を目指し、勝ちにこだわる」と燃えており、昨年王者で昨秋のグランドスラム(GS)パリ大会も初出場で制した田中龍馬(筑波大)ら有力選手がひしめく。
早くも胸が高鳴る対決を前に、鈴木監督は「金メダリストに勝つ選手が1人でも1階級でも多く出てくれると、うれしい。五輪代表が盤石の強さを見せてくれるのもうれしいけど、刺激し合って、表現が適切か分かりませんが、バチバチの対決、熱い試合が見たい。はい上がってくる選手たちと、それを蹴散らすような五輪代表という意地の張り合いを見せていただきたい」と熱戦を思い描いた。
この大会は、世界選手権(10月、タシケント)代表最終選考会も兼ねている。鈴木監督は独特の表現でレベルの高さも紹介した。
「誤解しないでいただきたいんですが」と前置きした上で、このように。
「選手からしたら面倒くさい大会だなと思います。強い選手しかいないし、海外で勝って帰ってきても、日本でまた、緊張感も怖さも味わうことになる」
「私も何回も出場(優勝5回)しましたけど『やってやるぞ』って前向きな気持ちになったことがないんです。嫌だな、怖いな、出なくても世界選手権の代表に選ばれないかな、とか考えていました」
「でも、勝つことで名前を上げる、柔道界の歴史に名を刻む、インパクトを与える。そういった考えで常に戦ってましたし、選手の気持ちも理解できます」
そこには東京五輪の金メダリスト5人が全員参戦する予定だったが、負傷で73キロ級の大野将平(旭化成)と100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)がエントリー後に欠場。頂の競争はさらに激しさを増す。鈴木監督は「金メダリスト(の実績)は決して消えることはありませんが、今大会に出場しなければ(世界選手権の代表選考で)すんなり通るわけではない。下からはい上がってくる選手の成長にもつながるような選考をしたい」。大会後に頭を抱えることを心待ちにしている。【木下淳】