<柔道:全日本女子選手権(皇后杯)>◇17日◇横浜武道館
体重無差別の日本一決定戦で78キロ超級の冨田若春(25=コマツ)が2年ぶり2度目の優勝を飾った。
決勝で橋本朱未(27=コマツ)との同門対決、かつ2大会前と同一カードの決勝を指導3つによる反則勝ちで制した。
優勝後には、右手甲の靱帯(じんたい)損傷、TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)と、けんしょう炎で練習を積めない状態だったと明らかにした。
優勝した今月2日の全日本選抜体重別選手権(福岡)で痛めたといい、翌週と今週に痛み止めの注射を打ち、その後も薬を服用して今大会に臨んでいた。
「選抜体重別から2週間ほぼ乱取りができなくて。(自転車型トレーニング器具などを使った)息を上げる練習だけしてきました。今日は、けんか四つの相手ばかりで、組手は正直しんどかったです、痛くて。本来なら試合に出ない痛みなんですが(代表選考が懸かっており)試合に出て、勝ちにいくこと、優勝することは大事なこと。今回、出ないことは考えなかったですね。その中で勝てたということは、どんな状態でも勝てたということ。自信になりました」
昨年は両膝手術の影響で欠場したが、きっちり皇后杯を奪い返した。
昨年6月には、世界選手権(ブダペスト)で銀メダルを獲得した。一方、その決勝戦で左膝を負傷し、損傷した半月板の縫合手術を翌月に受けた。10月には古傷の右膝にもメスを入れ、半月板を修復。切れた前十字靱帯(じんたい)はそのままだが、筋力トレーニングによる補強やテーピングをして復帰。今年2月のグランドスラム(GS)パリで優勝し、国内では選抜体重別を制し、さらには新たな右手の負傷も乗り越え、頂点に立った。
今回の優勝で、現時点の最重量級最強を証明した。
「選抜と皇后杯で続けて優勝できたのは大きいと思います。絶対に優勝するつもりでした。(24年パリ五輪へ)1つ1つの試合を大事にしていって、つなげられれば」
10月の世界選手権(タシケント)78キロ超級の代表入りも確実となった。
また、昨年の世界選手権で冨田を破り、金メダルに輝いた朝比奈沙羅(26=ビッグツリー)は準決勝で橋本に指導3つの反則負け。新型コロナウイルスに感染して先週8日に退院したばかりでスタミナが切れた。
昨夏の東京オリンピック(五輪)78キロ超級で金メダルを手にした素根輝(21=パーク24)は左膝手術を受けたため欠場した。
大会は3年ぶりに有観客で行われ、結果は冨田がパリ五輪へ存在感をアピールする形となった。
「(朝比奈や素根との試合は)やってみないと分からない」としつつ、海外勢との対決へ意識は高まる。「五輪はもちろん外国の選手が相手。そこを目標としているのなら、もし選ばれれば、世界選手権でも勝ってアピールしたい」と目線を上げていた。【木下淳】