田中刑事さん指導者の道へ「スケートの楽しさや勇気を」引退会見で決意表明 ファンに感謝も

引退会見で競技人生での思い出を語る田中刑事氏(撮影・横山健太)

<フィギュアスケート:プリンス・アイス・ワールド>◇29日◇KOSE新横浜スケートセンター

18年平昌五輪(オリンピック)代表の田中刑事さん(27)が、プロスケーターデビューを飾った。

第1部で「ショパンの夜に」を演じ、公演後に現役引退会見を開いた。今後はプロスケーターと並行して、アシスタントコーチとして指導者の道を進む。「ひょうご西宮アイスアリーナ」で恩師となる長光歌子、淀粧也香両コーチと指導に携わる予定で「コーチになりたい夢は、小さい頃から抱いていました。長い競技生活の中で経験した成功や失敗を通して、スケートの楽しさや勇気を伝え、さらに選手の成長にとって必要なことを何かと考え、1人1人に真摯(しんし)に向き合っていきたいと思います」と決意を表明した。

現役時代は全ての演技に思い出があり、印象深い大会、プログラムを1つに絞るのは難しいという。平昌五輪に関しても「意外と(印象が)薄いぐらい、他の試合にもちゃんと思い出がある」と苦笑い。その真意について「五輪がかすんでしまうぐらい、他の試合も応援してもらいました」と明かし、競技会の大小にかかわらずサポートしてくれたスタッフや、仲間、ファンに感謝の思いを込めた。【松本航】

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