<関東大学ラグビー春季交流大会:明大26-19早大>◇1日◇札幌ドーム
札幌ドーム初の早明戦で道産子選手が大きな1歩を踏み出した。ラグビー関東大学春季交流大会の早大-明大が1日、札幌ドームで開催され、北海道出身で唯一ベンチ入りした函館市出身の早大・平山貴喜(4年=函館ラサール)が、後半22分から右プロップで途中出場。19-26と惜敗も、9年ぶりの道内での早明戦で1軍デビューを果たし、秋の関東大学対抗戦、冬の全国大学選手権出場に向け、アピールを開始した。
待ちに待った瞬間だった。後半22分、平山がグラウンドに飛び出すと、それまで背番号と選手名だけのコールだった場内アナウンスが、特別に「背番号18、函館ラサール出身、平山貴喜」と出身高入りで紹介。盛大な拍手を浴び試合に入った平山は「すごい拍手で…しばらくは緊張して、うまく動けませんでした」と苦笑いで振り返った。
序盤は思うようにボールに絡めなかったが、出場11分後の後半33分、フランカー相良昌彦主将(4年=早稲田実)のトライとSO吉村紘(4年=東福岡)のコンバージョンキックで19-19に。流れを呼び込むと、再開直後に自らボールを持って突進し右サイドに展開するなど、観客を沸かせた。「最後はスクラムで前に行こうとして滑ってしまいペナルティーをもらってしまった。失敗を糧に秋はスタートから出られるよう、プレーに磨きをかけたい」と先を見据えた。
順調なラグビー人生ではなかった。函館ラサール1年時に花園経験も、3年の全国大会は左膝を負傷しベンチ外。サポート役に回った。「まだラグビーを続けたい」と1年、浪人生活をして名門早大に合格。昨夏まで5軍だったが「スクラムとタックルの強さが武器だと気付いた」と1点集中強化で昨秋、2軍に昇格し今春、北海道で1軍デビューを果たした。早大の太田尾竜彦監督(40)は「持ち前のがむしゃらさを出してくれた。長く出たときの安定感が増せば、もっと伸びる」と成長を期待した。
この日は故郷函館から両親と兄、友人も多数かけつけ、スタンドには函館ラサールの後輩がつくった「平山貴喜先輩 最高のチャレンジを!」と書かれた大きな横断幕も掲げられた。「僕のスタートライン。ここで満足せず、チャンスをつかんで国立で日本一に立ちたい」。大舞台で躍動し、支えてくれた人たちに、恩返しする。【永野高輔】
◆平山貴喜(ひらやま・たかき)1999年(平11)6月13日、函館市生まれ。函館柏野小4年時に函館ラグビースクールで競技を始める。北海道教大函館中から函館ラサールに進み、1年で全国高校選手権、2年で全国高校選抜出場。卒業後は1年間、札幌で浪人して19年に早大進学。1年からラグビー部入部も、昨年まで1軍での公式戦出場経験なし。177センチ、110キロ。
○…早明戦道内開催は13年に札幌月寒ラグビー場で行われて以来9年ぶりで、札幌ドーム開催は初となった。同ドームでのラグビー開催は19年9月22日のW杯イングランド-トンガ以来。主管となった北海道協会関係者は「大学になるか分からないが、来年以降もドーム開催を続けたい」と話した。明大主将で7人制日本代表のWTB石田吉平(4年=常翔学園)は「ドームで試合をやるのは初めて。気持ちが上がった。できるなら、またここで試合をしたい」と感想を口にした。