柔道ウルフ・アロン「帰ろう…帰ろう…」へろへろ階段10本 初アジア大会は「しっかり優勝を」

柔道全日本男子合宿で階段ダッシュに取り組む100キロ級のウルフ・アロン(撮影・木下淳)

柔道の22年第2回全日本男子合宿が奈良・天理市内で公開され、午前はラントレを実施した。

東京オリンピック(五輪)100キロ級の金メダリスト、ウルフ・アロン(26=了徳寺大職)は息も絶え絶えに10本を完遂。「足が上がらねえ」「帰ろう…帰ろう…帰ろう…」などとボヤキながら、時には井上康生強化副委員長に背中を押されながら、やり抜いた。

トレーニングを終えると「今は何も考えられる状況じゃないです。きついっすね、やっぱり」と苦笑い。「久しぶりに天理合宿の階段を走ったんですけど、東京五輪前は毎朝10本とか走るの全然余裕でした。いかに自分の体が鈍っているか痛感しました」と言った。

体重に関しては「一番ひどかった時(118キロを大きく更新した時)よりは落ちてるんですけど、1回(負傷で欠場した全日本)選抜体重別の前に落として、その体重をキープできなくて戻って、また少し落としてっていう状況ですね」と説明。「差し支えなければ何キロですか?」と聞かれると「差し支えあるんで、やめてください」と笑い飛ばした。

負傷については「めちゃくちゃ悪いわけじゃないんですけど、不意に相手の小内刈りとかを食らった時に少し足首が抜けるような感覚がある。もう少し筋トレとかでカバーしていかないといけない」。本格的な練習は「休んだ後、打ち込みを始めて、先週くらいから乱取りに復帰した」とし、この合宿にも参加。午後は2時間半を超える稽古で乱取りに励み、何度も相手を畳にたたきつけた。鈴木桂治監督に「見ての通りでもう少し絞れるといいが、やはり乱取りを見ていると強い。ポテンシャルが違う」と言わしめる実力を披露した。

選抜体重別の欠場で世界選手権(10月、タシケント)の代表は逃したものの、杭州アジア大会(9月、中国)の出場権は得た。「アジア大会の出場は初めて。しっかり優勝したい。2年後に控えるパリ五輪に向けて、いいスタートが切れるような大会にしたい」と考えを示した。

東京五輪後は「今までやっていない技」に取り組んでいる。「半年くらい、どこかに行って(テレビ出演等で普及や知名度の向上に一役買い)ようやく帰ってきました。今は、どうしても内股とか大内刈りとか足払いとかなので、少し担ぎ技だったり、体落としだったり、新たな得意技にするよりは少しできる技を、50%の仕上がりでいいので、できる技を増やしておくことによって、技をつなげられる幅、つなぎ方が変わってくる」と強調した。

得意の足技も「今まで左だけのところ、右もやったり。そういう意味で技を増やして、少し相手の意識をちらつかせるような柔道をしていきたい」。目指す五輪2連覇へ、さらなる進化を思い描いた。【木下淳】