B1復帰仙台 新人岡田泰希活躍の裏に藤田HCの存在「10点満点のプレーヤーだから自信持て」

香川対仙台 B1昇格を決め、喜び合う岡田(中央左)と沢辺(中央右)(2022年5月16日撮影)

6季ぶりのB1復帰にはスーパールーキーの活躍が不可欠だった。昨年12月から特別指定選手として仙台89ERSでプレーし、5月27日に22-23年シーズンのプロ契約に合意した岡田泰希(22)にインタビュー。昨シーズンの活躍の裏には藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)の支えがあったことを明かすとともに、10月から始まるB1への意気込みについて語った。

攻撃的な明星大バスケットボールの核を担っていた。岡田は関東大学2部リーグで1年時に3点シュート(3P)王を獲得。3年時にはオータムカップで3P王と得点王に輝いた。「柴山(英士)監督には1年生の頃から『お前がシュートを決めないとチームは勝てない』と言われ続けていました。厳しい面もあるけど、それだけ期待されて、そういう役割を任せてもらえていた。その言葉があったからこそ、責任感を持って4年間を過ごすことができました」。リーグ戦では11試合で50本の3Pをマークし、1試合平均得点が「20」を超えるなど、明星大にとって欠かせないスコアラーに成長した。

自身のさらなる成長を見据えて加入した仙台89ERSは、大学とは打って変わってディフェンシブなチーム。加入した決め手の1つに藤田HCの言葉があった。藤田HCは「将来日本を代表する選手を目標にしているのであれば、ディフェンスは絶対に必要な部分。それは仙台に来れば身につくと思うから、絶対に将来役に立つシーズンになるよ」と話し、岡田は「1年やってみて本当にその通りだなと思いました」。21-22年シーズンは「いろんな課題が見つかった、経験ができたシーズンになりました。ディフェンス面では今までのバスケット人生で知らなかったことや戦術があった」。大学時代からディフェンス面を課題に挙げていたが「まだまだ課題は多いですが、仙台に入った当初の課題とはまた別の課題が出てきている。それは成長の証しだと思うので、それを重ねていきたいです」。仙台で過ごした21-22年シーズンは確実に岡田の糧となった。

「大学とプロとではマインドが全然違います」。オフェンス面でも考え方は変化。大学時代は高い得点力を生かして「自分がチームを勝たせる役目」という気持ちを持っていたが、仙台では自身を「効率いいオフェンスをするための糸口」と位置づけた。プレーオフ(PO)では9試合のうち8試合で先発し20アシスト。クオーターファイナル福島戦では3戦連続で日本人最多得点を挙げ、攻撃の糸口としての存在感を見せた。

シーズン途中での加入ながら、POを含め41試合に出場。攻守ともに成長できたシーズンとなったが、それだけ壁にぶつかることもあった。「壁にぶつかって悩んだ時、うまくいかないような時に自分はネガティブになってしまう」。そんな時、藤田HCからかけられた言葉に救われた。「泰希は今、自分が10段階のうちどのくらいのプレーヤーだと思う?」と問われ、岡田は「3か4ですかね」と回答。すると藤田HCは、「いや、泰希は10。10点満点のプレーヤーだから自信を持って」と岡田を鼓舞してくれた。「プレー中はもちろん熱く指導してくれますが、オフでも自分がプラスの方向になれるような言葉をシーズン中ずっとかけてくれた」。藤田HCの存在がシーズンを戦い抜く一助となった。

柴山監督の期待が岡田を大きくし、藤田HCの支えが岡田を強くした。次の舞台は初めてのB1だ。「個人としていろんな壁や課題に当たると思いますし、トップリーグの中で自分がどう通用するのかと何をやらなければいけないのかが明確になる年だと思う。いろんなことに挑戦して、いろんなことを吸収していきたいです」。仙台での2年目をさらなる飛躍の年にする。【濱本神威】

◆岡田泰希(おかだ・たいき)1999年(平11)7月28日生まれ。愛媛県出身。父がやっていた社会人バスケットを見て興味を抱き、小学4年時に伊予MBCでバスケットボールを始めた。以降は久米中-北陸高-明星大。北陸高では2、3年時にウインターカップ出場。大学では1年時から得点力の要を担った。176センチ、70キロ。