新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」の主将、鈴木歩佳(22=ミキハウス)が危機感を募らせた。18日に終了した世界選手権(ブルガリア・ソフィア)の報告会が21日、都内で行われ、団体総合8位に終わったことに、鈴木主将は「自分たちの演技ができず悔しい思いしかない」と反省しきりだ。
同選手権で3位にまで与えられる24年パリ五輪出場枠獲得も、持ち越しとなった。それだけではない。今大会は、新体操界で表彰台が定位置のロシアや、強豪のベラルーシが、ウクライナ侵攻で、参加が認められなかった。その中で、昨年の4位から8位に転落した。
同選手権の6人のメンバーで、五輪を経験しているのは鈴木主将と竹中七海(23)の2人だけ。東京五輪後に、主将だった杉本早裕吏、松原梨恵ら主力が引退し、今年から、新たなメンバーとなった。しかし、鈴木主将は「試合の緊張感やプレッシャーの中で、自分たちの演技をやりきれない」と、厳しく指摘する。
鈴木主将は15年に代表入り。19年まで、前山崎浩子強化本部長の方針で、ロシアで1年350日も合宿を張り、練習漬けとなった。「1回でも(手具を)落としただけで、メンバーを入れ替えられるという緊張感があった」。
実際、鈴木主将は、16年リオデジャネイロ五輪前の練習でうまく演技ができず、五輪代表を逃した。しかし、その経験が鈴木主将をたくましくしたという。「そこからは、自分がメンバーに入って、絶対に全ての試合に出るという強い覚悟と気持ちを持ってやれたので、今の自分がある」。
現在は、もう他国に頼る時代ではないと、村田由香里現強化本部長のもと、国内での指導体制に変わった。メンバーも代わり、村田強化本部長によると、「今回は(人数が)ギリギリの状態。よほどの大きなケガがなければ(メンバーから)外れない状況だった」という。
今回、初めて世界選手権を経験した4人は、ロシア合宿時代を知らない。鈴木主将は「その(厳しい)経験をどうやって積んでいくか。それがチームがレベルアップするために大切なこと」と、どのように緊張感を持たせるかを試行錯誤している。【吉松忠弘】