<フィギュアスケート:ジャパンオープン>◇8日◇さいたまスーパーアリーナ◇
世界初の4回転半ジャンパーが日本初試合で躍動した。9月の国際大会で史上初のクワッドアクセル(4回転半)成功者となったイリア・マリニン(17=米国)が、北米チームでフリー演技を披露。回転不足などはありながらも193・42点を稼ぎ、その高さと安定感で衝撃を与えた。4回転6種類7本の構成、さらに5回転への挑戦も見据えた。試合は日本が合計623・84点で優勝した。
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多くの人が初めて間近にするその1本に固唾(かたず)を飲んだ。マリニンが前向きに跳び上がる。一気に氷から体が上空に浮き上がる。そこから4回体を回しきった。着氷が乱れ手をつく結果にはなったが、この超大技をものにしている、そう感じさせた。
「どうやって跳べばいいか基本は、しっかり理解している」。試合後には冷静にミスの原因を推測した。感触に狂いはない。その後も次々に4回転を放ったが、軸が1本きれいに通り、何より高さが際立つ。力感のなさも特徴的。
自身のインスタグラムのアカウント名は「quadg0d」。「4回転の神」の自称にもうなずける。前日7日の練習ではフリーで4回転6種類7本を組み込んだ構成まで見せつけた。試合ではお預けをしたが、「(シーズンの)最後には検討するかも」と来年3月、同じさいたまスーパーアリーナで開催の世界選手権では、挑む可能性もある。さらに「シーズンが終わった後に心に余裕あれば5回転を試すことはあるかも知れません」と天井知らず。
4回転半は羽生結弦さんの挑戦を見て試みたという。「一番(成功に)近いところにあったと思いますし、最も、絶対に跳びたいという意欲を見せていらっしゃった」。その映像を元に研究を続け、自己流の技術にたどり着いた。「羽生さんも喜んでくれたと聞いてとてもうれしい」と敬意を示した。
選手だった両親は、いまもコーチとして帯同する。「常に自分を信じて。自信を持ちなさい」。その教えを胸に、世界の主役になろうとしている。5カ月後、世界選手権で来日すれば、次はどんな衝撃をもたらすだろうか。【阿部健吾】