渡辺守成FIG会長「夢がかなった」第1回パルクール世界選手権が東京・有明で開催

渡辺守成氏(2019年3月撮影)

障害物を乗り越え、スピードや技を争う競技、パルクールの世界選手権が14日、初めて開かれる。記念すべき第1回の会場は、東京オリンピックでBMXやスケボーが開催された東京・有明アーバンスポーツパークだ。

国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長(63)が、地元にお膝元のパルクールを持ってきた。「パルクールは、オリンピックやサッカーを超えるポテンシャルを持っている」。17年にFIG会長に就任して以来、「世界選手権を開くのが夢だった。それが今かなった」と喜んだ。

FIGは、伝統的な体操競技を統括する国際団体でもある。パルクールを「アーバン(都市型)スポーツ」とすれば、渡辺会長によると体操は「典型的なトラディショナル(伝統的な)スポーツ」という。五輪は、これまで伝統的なスポーツで成立してきた。しかし、これからはそうではないと、渡辺会長は都市型スポーツの勢いを感じている。

「世界各国を回っても、伝統的スポーツの広告はほとんど見ない。ほとんどが都市型スポーツ」。ならば、なぜ都市型スポーツが受け入れられるのか。「痛みがなければ勝てない。それが今までの伝統的なスポーツ。しかし、都市型スポーツは楽しむことが原点。そこに企業が好感触を持つ」と、渡辺会長は独自の分析をする。

言い換えれば、苦しい練習やケガなどに耐えなければ勝利をつかめないと、伝統的なスポーツは信じてきた。しかし、都市型スポーツは、個人で楽しむことが主体。パルクールの創始者でFIGのピエール・パルクール委員長も「パルクールは自由だ」という。

その象徴が「パルクールはオリンピック競技になるのがゴールじゃない」(渡辺会長)ということになる。「この先、スポーツは、エンターテインメントから、どうやって社会に貢献するかに移行していく」。パルクールは全身の身体運動で「人類の健康に貢献していける」という。

パルクールには、元来、統一感のあるユニホームはないという。「好きな格好で、好きな演技をする」(渡辺会長)のがパルクールだという。その言葉どおり、渡辺会長の服装も、Tシャツにジャンパーを羽織り、パンツはジーパンという「パルクール」仕様だった。