<アーチェリー全日本選手権>◇23日◇東京・夢の島公園アーチェリー場◇決勝ラウンド
予選23位の五輪2大会メダリスト、山本博(59=日体大教)は、決勝ラウンド2回戦で敗退した。予選を突破した32人によるトーナメント方式の1回戦は、予選10位の長谷川廉(鹿児島県スポーツ協会)にストレート勝ちを収めたが、2回戦で飛田和真(慶大)にストレート負け。04年以来となる18年ぶり9度目の優勝はならなかった。
「完敗ですね。集中して打てたけど、点数を出す体ができていなかった。正直言って今回の全日本では優勝までのイメージがわかなかった。今の状態ではベスト8まで。この意識、実力を変えていかないと」と山本。3年ぶりに決勝ラウンドで戦って、自分に足りないものが鮮明になったようだった。
04年アテネ大会以来20年ぶりの五輪出場を目指す山本は前日の予選を23位で通過。3年ぶりの決勝ラウンド進出を決めるとともに、24年パリ五輪出場への前提条件となる、11月5、6日の23年ナショナルチーム選考会の出場権も手にした。
この日は2週間後の選考会を見据えた秘策をテストした。「弓の重量を240グラムほど重くしました」。近年は楽に引ける安定感のある重い弓が主流で、トップ選手や多くの若い選手が使用している。「重い弓は引き手のフィーリングが鈍感になる」と、山本はずっと軽量の弓を使用してきたが「彼らと勝負するには重い弓をコントロールする必要がある」と、59歳にして体になじんだ弓からの変更に踏み切った。
パリ五輪は来年のナショナルチームのメンバー16人に入ることが前提条件。全日本で予選を突破した32人が、11月のナショナルチーム選考会に進む。大会まであと2週間。「今シーズンのベストは668。その点数をアベレージで出せるように調整して、ベスト8まではいきたい」。全日本で再び上昇気流に乗ったことで、しぼみ気味だった意欲と自信がわき上がってきたようだ。【首藤正徳】