<体操:世界選手権兼2024年パリ五輪予選>◇1日(日本時間2日)◇英国・リバプール
5人全員が初代表という新生・日本女子は、団体総合決勝で、4種目合計156・964点で7位だった。56年ぶりのメダル獲得と、今大会での24年パリ五輪の出場権獲得はならなかった。
全員初代表のチームを、明るさと声かけで引っ張ってきた深沢こころ(20=筑波大)主将が表情を曇らせた。団体決勝、日本の最終種目最終演技者として、段違い平行棒で落下した。予選でマークした13・500点より4・1点も低い9・400点。「役目を果たせなかったのがすごい悔しい」と声を震わせた。
予選5位通過の流れを、決勝にもそのまま持ち込んだ。最初の2種目を小さなミスにおさえ、何とか6位で折り返した。そして迎えた3種目目の跳馬。エースの宮田笙子(18=鯖江スクール)、坂口彩夏(20=日体大)が14点台をたたき出し、一気に3位に浮上した。
深沢の段違い平行棒は、今年の全日本種目別で優勝した得意種目だった。しかし、決勝は3人が演技して3人の得点だ。4人演技して3人の合計の予選とは違い、1人の失敗も許されない。メダル、出場権という経験したことがない緊張感が、深沢の美しい体操を狂わせたのだろう。それでも、深沢は「パワーアップしてこの舞台でリベンジしたい」と、来年の雪辱を誓った。
7位だったが、日本女子にとって、大きな収穫だったと言っていい。大会直前の合宿で、全日本個人総合優勝の笠原有彩(レジックスポーツ)が左足前十字靱帯(じんたい)を損傷。代表から離脱し、宮田と並ぶエース格を失った。加えて、全員が初代表で、経験不足は明らか。団体総合での決勝進出さえ危ぶまれた。
しかし、大技はなくても、ミスを最小限に抑え、美しさで勝負する日本女子の伝統を最大限に発揮。強豪チームがミスを連発する中、その絶対的な安定感が光った。田中光女子代表監督も「最後までよくバトンをつないでくれた」と、ほっとした表情を見せた。