早田ひな「奇跡」1カ月ぶり実戦復帰で4強、ラケット握れない時期も 準決勝は「棄権の判断も」

女子シングルス準々決勝の第1セット、打ち返す早田(撮影・鈴木みどり)

<卓球:全農カップ・トップ32>◇12日◇第1日◇船橋アリーナ◇女子準々決勝

世界選手権の団体戦で銀メダルを獲得した早田ひな(22=日本生命)が、およそ1カ月ぶりに実戦復帰し、準決勝進出を果たした。「最後はフラフラ」という状態ながら、1日3試合を戦い切った。

「経験の差」で勝ち抜いた。1回戦から2試合続けてストレート勝利を収め、準々決勝に進出。3試合目は張本美和(14=木下アカデミー)相手に3-2と競ったが、第6ゲームをデュースの末に奪取し、4位以上を確定させた。「自分が振り回されないように、コース取りなどを工夫した。最後はちょっとした経験の差が出た」と静かに胸を張った。

早田は世界選手権期間中に、利き腕である左の上腕三頭筋の痛みが悪化し、中国との決勝を欠場。10月11日の帰国から2週間ほどは、ラケットを握ることができず、試合同様の感覚で練習を再開したのは「2日前」だった。その中での準決勝進出を「奇跡」と表現し、「この状態で勝てたことがほんとうにうれしい」と実感を込めた。

翌13日に準決勝(対木原美悠)を控えるが、「体と相談をして、厳しいようであれば、棄権するという判断もなくはない。ここまでポイントを稼げたので」とし、出場は慎重に見極める方針を示した。

今大会はシングルスにおける24年パリ五輪出場代表選考会の1つで、23年世界選手権(南アフリカ・ダーバン)に向けても重要な位置づけとなる。

22年に始まったパリ五輪代表選考は24年1月まで続くが、加算されるポイントは大会によって異なる。23年の配分は大きく、五輪選考ポイント上位が目指せる世界選手権は、五輪代表入りに向けてもアドバンテージ。今大会終了後の選考レースのランク付けは、パリ五輪を目指す上でも重要となる。

早田は大会前の時点で、2位に29ポイント差の117ポイントを保持。準決勝進出を決めたことで、さらに35ポイント以上の上乗せにも成功している。【藤塚大輔】

◆大会前の時点での選考ポイント上位8名

1位 早田ひな(117ポイント)

2位 伊藤美誠(88ポイント)

3位 長崎美柚(86ポイント)

4位 石川佳純(76ポイント)

5位 木原美悠(70ポイント)

6位 平野美宇(56ポイント)

7位 芝田沙季(54ポイント)

8位 橋本帆乃香(50ポイント)

◆今大会で加算されるポイント数

1位 50ポイント

2位 45ポイント

3位 40ポイント

4位 35ポイント

5位 30ポイント

6位 25ポイント

7位 20ポイント

8位 15ポイント

16強 10ポイント

32強 5ポイント