【柔道】ウルフ・アロン「情けない」「ひたむきに取り組む必要…」場内騒然GS初戦敗退に反省

男子100キロ級の初戦で反則負けとなったウルフ・アロン(撮影・足立雅史)

<柔道:グランドスラム(GS)東京大会>◇4日◇最終日◇東京体育館◇男子100キロ級

東京オリンピック(五輪)金メダルのウルフ・アロン(26=了徳寺大職)が、まさかの初戦敗退を喫して場内騒然となった。

2回戦から登場し、イタリア選手と対戦。守りを固め真っ向から組む気がない相手を攻められず、開始2分48秒で早々に3つ目の指導を受けて反則負け。「情けない。距離を取られて、こじ開けることができなかった」と力なく語った。

東京五輪の後は、競技普及のためテレビなどメディアに多数出演。右足首負傷や大会延期、新型コロナウイルス感染など、さまざまな理由で大会に出られず、復帰戦となった10月の講道館杯も3位。ただ「1歩目としては許容範囲」と実戦に戻ったことを喜び、この大会から再出発するはずだったが、初戦で散ることは自身でも想定できていなかった。

今後については「パリ五輪とか言っている場合じゃない。一皮も二皮もむけていかないと勝てない」と危機感を隠さず「もう少し柔道に対して、ひたむきに取り組んでいく必要がある」と反省した。

来年5月の世界選手権(ドーハ)代表争いへ、もう負けられない。年末のワールドマスターズ(エルサレム)など、出場の可能性がある大会に向けて、五輪以来の国際大会で感じた悔しさを体に刻む。「試合でぶつけられるように準備していきたい」と懸命に切り替えた。【木下淳】