【バドミントン】桃田賢斗「あれこそ優勝の証」山口茜「うーん」総理大臣杯なしに選手ら残念がる

男子シングルス1回戦でシャトルを追う桃田(撮影・滝沢徹郎)

<バドミントン:全日本総合選手権>◇26日◇第2日◇東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ◇各種目1回戦

日本協会による一連の不祥事の影響で、今大会では国から優勝者に贈られる「内閣総理大臣杯」と「文部科学大臣杯」が授与されない。

2年ぶり5度目の頂点を目指す桃田賢斗(NTT東日本)は、大型カップの贈呈がないことを把握していなかったという。この日の1回戦快勝後にそのことを知り、「あの、おっきいのですか?」とがくぜんとした表情で報道陣に逆質問。「それは寂しい。あれこそ優勝の証のような感じなので」と残念がった。

日本協会の幹部は前日、総理大臣杯などが授与されないことを、「我々から選手たちに直接伝えてはいない」としていた。

世界女王の山口茜(再春館製薬所)はこの日の初戦を勝利した後、「カップがもらえないということに関しては、自分はそんなに残念とか思わないですけど…」としたうえで、「いろいろバタバタしているのは、ちょっと、『うーん』とは思います」。言葉を選びつつ、このような事態になっていることに困惑の表情を浮かべた。

女子ダブルスで“ナガマツペア”の松本麻佑(北都銀行)は「やっぱりあのカップがないのは寂しい」と本心を吐露。それでも「大会の大きさや自分たちの価値だったりというのは変わらない。やることは一緒かなとは思います」と気丈に振る舞った。

同じく女子ダブルスで“フクヒロペア”の福島由紀(丸杉)は「カップはないのですか」と確認したあと、「なんか…総合らしくないですよね。ちょっとショックです」とため息交じりに苦笑い。

男子シングルスで16年以来の優勝を目指す西本拳太(ジェイテクト)は「カップを目指している選手はたくさんいると思うけれど、僕たちがどうこう言うことではない。なんと答えたらいいか…」と言葉を濁す。それでも「いろいろある中で、選手みんながよりよい環境でやれれば。僕らでコートのなかで表現することが仕事。そこをしっかりやっていきたい」と話した。

元職員による横領の組織的隠蔽(いんぺい)など、一連の不祥事への協会の対応が不十分とされ、今大会では総理大臣杯は用意されず、さらにはスポーツ庁や東京都などの後援もなくなった。

「選手たちは悪くないのに…」との声も散見されるなかで、スポーツ庁の担当者は、「本当にその通りであり、私たちとしても選手が不利益を被ることは本意ではない」と苦しい胸中を明かす。そのうえで、「だからこそ選手やコーチの方々にも、協会の問題に当事者意識を持っていただき、声を上げ続けてほしい。そして声を上げた選手たちを守ることも、私たちの責任だと思っている」と強調していた。