<カーリング:混合ダブルス(MD)日本選手権>◇25日◇北海道稚内市・みどりスポーツパーク◇1次リーグ
お土産で話題を呼んだペアが、笑顔で日本選手権の舞台を去った。
横山結、森本剛組(関東ブロック代表)は1次リーグ最終戦に臨み、チーム北村に9-3で快勝を収めた。しかし、通算2勝4敗で1次リーグ敗退となった。
横山は高揚感と悔しさをかみしめながら言った。
「夢のような感じでした。今日で終わって、寂しいなと感じていて。またぜひ戻ってきたいと思っています」
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2人が話題となったのは、22日の1次リーグ第2戦。「フジヤマペア」こと藤沢五月(31)山口剛史(38)との試合前のことだった。
カーリング界には対戦相手に地元の特産品などを“お土産”として手渡すチームがあり、横山・森本組は文明堂のカステラと東京の缶バッジを贈ったのだ。藤沢の「おいしくいただきます」というコメントとともに、ちょっぴり注目を集めた。
2人はアイスの上でも健闘していた。大会序盤はクセのあるシートに苦戦したものの、後半からは徐々に対応。25日の最終戦の第2エンド(E)では有利な状況に持ち込み、5投目を担った横山がドローショットを確実に決めた。
森本は「今までで一番のベストパフォーマンスができたかなと思います。これが初日からやりたかったな」と白い歯を見せた。横山も「自分たちらしく、悔いのないように、集中していこうと試合前に話していて。それができたことがうれしいです」と笑みをはじけさせた。
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明るい性格の横山は、ロコ・ソラーレが銅メダルを獲得した18年の平昌オリンピック(五輪)を見て、カーリングに魅了された。競技を始めたのはその1年後。福島で小穴桃里と山口剛史がカーリング体験会を開くと知り、足を運んでみた。はじめは試しに体験するだけのつもりだった。
「やってみるとあまりにも面白くて。その場で『続けますね!』なんて言っちゃって。誰かに約束したわけではないんですけどね」
それまでウインタースポーツとは縁はなかったが、すぐにのめり込んだ。関東で仕事を続けながら、カーリング場のある軽井沢や山中湖周辺へと出かけるようになった。
一方の森本は、5年以上前から福岡でカーリングを続けていた。数年前に埼玉へ引っ越すこととなり、山中湖周辺のカーリング場へ赴くようになった。そこで横山と顔を合わせた。
「私は昔、混合ダブルス(MD)をやっていたので、埼玉に引っ越したのを機にMDをやりたいなと思っていたところ、横山さんから声をかけていただいて」
そうして昨年の春、ペアを結成した。毎週末のように、軽井沢へ通った。
平日は仕事にいそしむ森本は「両立は大変」ともらしつつも、真剣な瞳をたたえた。
「カーリングを中心に生活している感じですね。特に選手権の前や8月以降は、毎週末のように軽井沢などへ行って練習していました」
横山も仕事の合間を縫って、競技を続けてきた。自信も芽生えた。
「この4年間は関東イチ練習してきたと思っています」
控えめに笑いながら、そう胸を張った。
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迎えた今大会は2勝4敗で幕を閉じた。1次リーグではフジヤマペアだけでなく、「チームゆりた」こと吉田夕梨花(29)松村雄太(33)組とも対戦。そこでは3点を奪うエンドもつくった。
すでに森本は、この先を思い描いている。
「ドローのウエート感覚など、基本的な技術が全国レベルに達していないので、そこを来シーズンの課題にして頑張っていこうかなと思います」
テレビで見ていたオリンピアンたちとストーンを投げ合った横山は、競技の魅力をこう表した。
「カーリングを通じて、いろいろな方と知り合って。全国の方と対戦できて。オープン大会で地方の方と対戦したり、交流できたりするのがすごく楽しいです」
充実感をにじませた横山は「伸びしろはいっぱいあると思う。カーリングを始めて4年なので」と笑った。
いつも明るく、朗らかな2人は、稚内の地でひときわ輝いていた。【藤塚大輔】