<フィギュアスケート:世界ジュニア選手権>◇3日(日本時間4日)◇カナダ・カルガリー◇女子フリー
ショートプログラム(SP)首位で初出場の島田麻央(14=木下アカデミー)が、日本女子最年少優勝の快挙を成し遂げた。
フリーもトップの152・76点を記録し、シニアを含めて今季世界最高を更新する合計224・54点。14歳4カ月4日での優勝は、05年に頂点に立った浅田真央(14歳5カ月6日)を上回って最年少の快挙。日本勢では16年の本田真凜以来、女子8人目の優勝となった。
「浅田真央さんは名前の由来でもあるし、すごく憧れている選手なので、その選手と同じ位置に立てたことはすごくうれしいですし、自分にとって、一番いろいろなことが詰まったメダルになったと思います」
島田が前評判通りにジュニア最大の勲章をつかんだ。冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を成功させると、続く4回転トーループもわずかな回転不足ながら着氷。7つのジャンプを全て降り、3つのスピンは最高のレベル4でそろえた。得点発表を待つ「キス・アンド・クライ」では目を潤ませ、隣の浜田美栄コーチと喜びを分かち合った。
ジュニア1年目の今季は全日本ジュニア選手権で2連覇を飾ると、ジュニアグランプリ(GP)シリーズ2戦上位6人が集うファイナル(イタリア・トリノ)でも初出場初優勝。シニアに交じった全日本選手権でも、坂本花織、三原舞依に続く3位と大躍進した。
年明けも2月の全国中学校大会で2連覇。将来を見据え、フリーでは常にトリプルアクセル(3回転半)、4回転トーループの大技2本を組み込み、失敗があっても他の完成度の高さで同世代をけん引する存在となった。それでも「この世代は同じぐらいの選手がたくさんいるので『自分も跳ばなきゃ!』ってなる。世界ジュニアも今年が初だし、GPシリーズもGPファイナルも初だったので『初めての大会で、挑戦する!』という風に思っています。トップとは思っていないです」と1歩ずつ進んできた。
年齢制限の引き上げにより26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪には出場できず、五輪は30年大会を目指すことになる。将来の夢は「世界選手権やオリンピックで優勝できるような選手」と誓う。浅田真央の世界ジュニア選手権優勝(05年3月3日)から、この日でちょうど18年。憧れの浅田の名が由来の「MAO」が、フィギュア界の歴史に名を刻んだ。【松本航】
◆五輪の年齢制限 26年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会は最低参加年齢が現行の15歳から17歳に引き上げられる。昨年6月の国際スケート連盟(ISU)総会で決定。低年齢選手の心身への負担、健康への影響、競技短命への懸念などが要因となった。スケート界は7月1日からシーズンが始まり、来季は16歳、24~25年が17歳と段階的に引き上げる。08年10月30日生まれの島田は次回五輪前年、シーズンインする25年7月の時点でまだ16歳。一方、今大会銅メダルで同じ中学2年生の中井亜美は、4月27日生まれで同時期に17歳になっているため、年齢制限の対象にはならない。
◆島田麻央(しまだ・まお)2008年(平20)10月30日、東京都生まれ。5歳で競技を始めた。19、20、21年の全日本ノービス選手権優勝。21年全日本ジュニア選手権では、94年の荒川静香以来となるノービス世代“飛び級”優勝。ジュニア1年目の22年に連覇を達成。12月のジュニアGPファイナルでは09年村上佳菜子以来、日本女子5人目の優勝。148センチ。