<ラグビー・リーグワン1部:埼玉41-29東京SG>◇第11節◇11日◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆1万9079人
2連覇を狙う埼玉(旧パナソニック)が昨季決勝の好カードを制し、開幕11連勝を飾った。
東京SG(旧サントリー)に前半はノートライで3-17と劣勢だったが、後半5トライで41-29の逆転勝利。19年W杯日本代表SO松田力也(28)が勝ち越しトライを演出し、5ゴール2PGと成功率100%の16得点で「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に輝いた。9月8日の開幕まで半年を切ったW杯フランス大会での日本の司令塔候補が、さらに進化を加速させていく。
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劣勢でも、圧力を受けても、松田の頭は冷静だった。24-24に追いついた4分後の後半20分。左にいるFB山沢拓と情報を交換し「いける!」と決めた。相手ゴール前中央で選んだのはキック。パスを受け、右足で左前方へふわりと浮かした。インゴールで弾んだボールを、同い年の仲間が押さえた。勝ち越しトライを抱き合って喜ぶと「同じ絵を見られた」と笑った。
前半は3-14と我慢を強いられた。2本のトライで14点を追う展開となり、WTB野口が10分間の一時退場。攻撃的に来た相手に苦戦しながらも「あそこが空いている」と相手防御裏のスペースを見つけていた。10-24と14点を追う後半13分からFWのモール、日本代表CTBライリーのインターセプトで連続トライ。わずか3分間で同点に追い付き、迎えた勝負どころの冷静な判断と正確な技術で勝ち越しに導いた。
秋のW杯に向けても順調に進んでいる。昨年5月に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。昨季は代表活動に参加できず、同年12月のリーグ開幕節で復帰した。以降は11試合中10試合に出場し「1節目より余裕、間合いの手応えがあって、落ち着きが戻ってきた」。試合勘にも手応えを示した。
この日も代表のジョセフ・ヘッドコーチらが視察し、攻撃担当のブラウン・コーチからは仕掛け方、予測の部分で伸びしろを伝えられているという。「まずはリーグワン。しっかりとタイトルを取って、W杯に向かいたい」。埼玉の連勝街道には、頼もしい背番号10が欠かせない。【松本航】
◆埼玉の無敗記録 前身のトップリーグを含めて、コロナ禍の不戦敗を除いてリーグ44戦無敗(プレーオフ含む)となった。リーグ戦で最後に敗れたのは18年12月15日のNTTコミュニケーションズ(現浦安)戦。新型コロナウイルスの影響でリーグ不成立となった19~20年シーズンの6連勝を皮切りに、トップリーグ最終年の20~21年は10勝1分けで優勝。リーグワンが発足した昨季は開幕からコロナの影響で2試合不戦敗となったが、16連勝で初代王座を獲得。今季の11連勝を加え、44試合となった。