浅田真央さん「MAO RINK」発表で語った思い「世界一のリンク作る」/会見45分詳報 

桜が満開の建設予定地に立つ浅田さん

プロフィギュアスケーターの浅田真央さん(32)が、総合プロデュースする通年スケートリンク「MAO RINK」を実現させます。

28日、建設予定地の東京都立川市で、24年秋の開館を目指すと発表しました。立飛ホールディングスを共同事業者とし、土地の提供、建物の建築を進める。場所は多摩モノレール立飛駅から徒歩3分。選手時代に抱いた夢、これからのスケーターのため、そしてフィギュアスケートのために、動きだします。

会見で語られた思いとは-。ここに、あらためて詳報します。

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(映画館で行われた会見。スーツ姿でステージに登壇)

皆様、こんにちは浅田真央です。本日はお忙しい中「MAO RINK PROJECT」メディア発表会にお越しいただき、ありがとうございます。

私自身のスケートリンクを作るというのは、長年の夢でした。これまでたくさんの方々のお力をお借りし、こうして始まるということで、このような場を設けさせていただきました。本日はよろしくお願いいたします。

--(司会より)壮大な計画をご自身でやろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか。

とても壮大なプロジェクトということで、今日はとても気持ちが引き締まる思いと緊張している気持ちと、ワクワクした気持ちと、いろいろな思いが混ざっているんですが、私自身も選手として、そしてスケーターとして今活動していく中で、こんなスケートリンクがあったらいいなという思いは常にありました。

そして、選手の時に海外に行って、海外のコーチから「いつか自分のリンクを作ったらいいよ」という言葉をいただき、それからいろいろ考えていく中で、自分が選手として終えた立場で、今、スケーターとしてスケートの魅力を届けている立場として、次に何ができるのかなと思い、これは自分のスケートリンクを作ることだと思い、こういった夢の実現に向けて動き始めたところであります。

-大きな大きなチャレンジへ向かっていくということなんですけれども、思いのこもった計画について、今日は真央さんご自身のプレゼンテーションという形でお話をいただけるということで、早速お願いできますか。

このような場で、このような多くの皆さんの前でプレゼンテーションするのは初めてのことなんですが、皆さんにしっかりとお伝えできればいいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まずは私、自分自身のスケートリンクで実現したいことについてお伝えします。

まず1つ目はスクールです。私は5歳からフィギュアスケートを始めて、フィギュアスケートと共に成長し、ここまで来ることができました。

この「MAO RINK」でも子供から大人の方までスケートを体験してもらって、好きになってもらって、応援してもらいたいという気持ちがあります。スクールという形を作って、たくさんの人に来ていただいて、スケートを楽しんでもらいたいという思いです。

2つ目がアカデミーです。こちらはスクールで学んだ子供たちがいつか世界に飛び立っていけるような、活躍できるようなスケーターを育てていきたい思いもありますので、しっかりとした施設で整った環境でスケーターに育ってほしいという思いが込められています。

そして、3つ目はアイショーです。今、私自身は「BEYOND」のアイスショーとして全国を回っていますが、これからもフィギュアスケートのエンターテインメントの魅力を伝えていくために、この「MAO RINK」でもアイスショーという形で、皆さんにフィギュアスケートを届けられたらいいな、という風に思っています。

こちら3つが実現したいことです。それをかなえるために、このような構想をしています。

まずは、メインリンクとサブリンクです。同じ建物の中に、メインリンクとサブリンクを作りたいと思っています。

スケーターは、スケートリンクがなければ練習ができません。多くの方にスケートを楽しんでもらいたいです。そのためにメインリンク、サブリンクどちらも使って多くの皆さんが練習できる、楽しめるような場所を、環境作りを整えたいという風に思いました。

そして、トレーニングです。こちらは選手にとって必要なものになってきます。私自身も選手の時にトレーニングというのは毎日行っていたんですが、技術を上げるためにも、けがをしないためにも、体作りはとても必要になってくると思います。スケートリンクの2階の方に、トレーニング施設も作りますので、スケーターだけではなくて一般の方にも充実したトレーニング施設で体を動かして、健康になってもらいたいなという風に思います。

そして、スタジオです。フィギュアスケートは美しさと表現力が必要なスポーツになってきます。私自身バレエやジャズダンス、タップダンス、いろいろな習い事をしてきました。スケーターにとって必要なものとなってきますので、スケートリンクの中にトレーニングジム、スタジオなどを作って「MAO RINK」にいれば上達できるというような施設を整えようと考えております。

そして、レストランです。私自身も選手の時、トップになると、朝から夜までずっとスケートリンクにいることがあります。なかなか自宅でご飯を食べる時間もなく、外食であったり、食事を買ってリンクの中、車の中で食べることが多かったです。スケーターのためにも、体に優しいものであったり、栄養面のサポートであったり、安心安全手作りのお食事をいただけるようなレストランができればいいなというふうに思っています。

そして、私自身も食べることがとても大好きなので、自分自身こういうレストランがあったらいいなという思いもありますので、そちらの思いも一緒に作っていけれたらいいなと思います。また、リンクはとても寒いので、温かいスープなど、心がほっこりするようなものも提供できればいいかなと思っています。

そして、ギャラリーです。私自身が現役時代の時に着ていたコスチューム、実際に今アイスショーで着ている衣装など、そういったものは1つ1つ手作りで作られているので、今まで応援してくださった皆さんに、実際に間近で見てもらって、楽しんでもらいたいなっていう思いがあります。今までに獲得したメダルなども飾れたらいいのかなという風に思っております。

そして、ショップです。こちらは自分自身がデザインしたスケートウエアなどをこれからも作っていきたいなという思いがありますので、そちらの方もみんなに来てもらえたらうれしいなと思っております。

-思いと夢全部詰め込みましたね。

そうですね、本当に気がつけばいろいろな思いがありまして、これだけのたくさんのものになってしまいました。

最初の段階で、建築家の方、デザイナーの方と一緒にご相談をしながら作り上げてきました。

(外観の映像がスクリーンに投影される)

-施設がおしゃれですね

そうですね、全体的にクラシカルなイメージで作っていただいたんですけど、周りにはお花であったり、自然であったり、そういったものもいろいろ入れられたらいいなという風に思っています。

-気になったのが、アカデミーとありましたね。世界に羽ばたいていくようなお子さんをどんどん成長させていくんだということを聞きますとね、真央さんご自身が育てる、ご自身の手で育てる、そんなこともあるんでしょうか。

そうですね、私自身もそういった目標がありますので、チャレンジに向かって進んでいきたいなという風に思っています。

--ご自身でも、こういう日が来るとは思いもしなかった部分もありますか。

そうですね、はい、もう大きい夢でしたので、そういった思いがいよいよ実現するんだと思うだけでも、とても気持ちも引き締まりますし、また楽しみな気持ちでもあります。

(外観の画像を見ながら)

--この大きいアーチが特徴的ですね。

そうですね、こちら(サブリンクの窓)もガラス張りになっているので、室内からでも外の景色が見えたり、リンクの中も明るい雰囲気になっています。

--中からでも、自然が見えるっていうのは、こだわってるんですか。

スケーターはずっとスケートリンクにいることが多いので、少しでも外の光を浴びて、気持ちも心もリフレッシュしてもらいたいという思いが込められています。

-こちらもね、きれいに自然に囲まれてる中で今度はリンクの中、ショップレストランですね。

建物のデザインなんですけども、金と銀と銅のカラーを入れるようなあのデザインになっています。世界でメダルを金、銀、銅の取れるようなスケーターが育っていってほしいという思いも込められています。

あとは、緑や花もたくさん入れられたらという思いもあるんですが、やはり毎日だと練習辛いなって思う時もあるんですね。ただ、子供たちに、お花や緑を見てもらって、少しでも気持ちが明るくなって、スケートリンクに入ってもらいたいなという、そういった思いがあります。

--大きなテラスもありますね。

こちらはレストランになります。店内からも大きなガラス張りになっていますので、お食事をしながら、外の自然を感じながらご飯を食べられる施設になっています。そして、大きなテラスもありますので、レストランのお食事をテークアウトして外で食べたり、春には桜の満開になりますので、お花見スポットとしても楽しんでもらえるんじゃないかなという風に思います。

--土日は地域の方もね、ここに食べに来よう、遊びに来ようって方もいるんじゃないですか

本当にそうなってほしいな、という風に思います。レストランのお食事もこだわりのレストランをご用意してますので、レストランのためだけにきたいと思っていただけるような、選手だけではなくて、地域の皆さんの全員がここの場所に集まって、笑顔あふれるような場所になれればいいなと思っています。

ーこれ大きいリンクですね。

こちら(メインリンク)はスケートリンクのサイズが国際規格なので、大会やアイスショーなどを開催することもできます。そして、観客席も1000席ほど作る予定なので、実際にたくさんのお客さんが、ここのアイスリンクに来てもらえるんじゃないかなという風に思います。

-通年、1年間通してというのがポイントですよね。

そうですね、メインリンクもサブリンクも1年間、通年で利用していただきますので。特にこちらのメインリンクは全体的に黒が基調なので、世界に活躍していけるようなスケーターが集中してスケートに取り組んでもらえるような環境になっています。

ー-奥に桜が見えてますよね。

サブリンクになりまして、日本の中では1番大きいサブリンクになるであろうと、そういう大きさにしようということで話が進んでいます。

リンクのサイドには大きなガラス張りの窓がありますのでスケーターも一般の方も外を見ながら、四季を感じながら、スケートを楽しんでもらえるようなリンクになっていると思います。

--ここからの未来、例えば年を経て、ここにどんな姿の自分を描いてますか。

もう40になっても50になっても60(歳)になっても、何かしらの形ではここにいると思いますので、もしかしたら普通に滑ってるかもしれません。

本当に長く長く、たくさんの皆さんの笑顔あふれる場所、そしてスケーターにとっても、世界に活躍できるような、そういった力になれるような場所になれればいいなという風に思ってます。

(立飛ホールディングスの村山社長登壇)

--では、ごあいさつをお願いいたします。

村山社長 スタートはですね、2年前の3月です。ぜひ思いを聞いてほしいという、そういうオファーありまして、何かの裏紙2枚にですね。びっしり手書きで書いてありまして。私の前で10数分でしょうかね。いろいろ書いてることは全然見ないで、本当にね、熱いメッセージいただきましたね。後日これ聞きましたらね、あの時社長さん無表情だったんで無理かなと思って帰ったそうなんです。ところがですね、実はこれ私のスタッフも現場にいたんですが、私ゴーサインも何も出してない中で担当サイドがですね、どんどん勝手に絵を描き始まったんです。それがあの今日になってるんです。

--2024年は立飛ホールディングスも大きな節目を迎えるんですよね。

村山社長 24年11月1日がですね、私ども創立100周年になっております。今、100周年事業を2年前からずっといろいろやっておりまして。できましたら、11月頃にしゅん工をしてほしいなっていう風に思ってます。多分、その頃になるとは思いますけど。

--真央さん、こういった具体的な日取りも今聞こえてきました、お気持ちいかがですか。

浅田さん 本当に村山社長との出会い、ご縁には本当に感謝しております。私自身の夢である「MAO RINK」の実現に向けて、お力添えしていただき、本当にありがとうございます。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

-改めてですね、もう1度このプロジェクトへの思いを最後にお聞かせください。

浅田さん これは私にとって、第2の人生の大きな大きなチャレンジとなると思います。私は5歳からフィギュアスケートを始めて、とともに成長し、ここまで来ることができました。共に歩むというのは、これからも変わらないと思います。今日は本当に気持ちが引き締まり、ワクワクした気持ちとさらなる大きな覚悟が生まれました。想像するだけでも、とても楽しみなプロジェクトではあると思います。私自身も世界一のスケートリンクを目指して、これからも頑張っていきたいと思いますので、皆さん、応援よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

<質疑応答>

-2点ほどお伺いします。1点目が今、真央さんは「BEYOND」をなさっていますが、今後、アイスショーと子供たちを教えるということ両立していかれますか。

はい、私自身、今「BEYOND」というアイスショーで全国を回っています。それと同時にこのマオリンクのプロジェクトに向けて、スクールも考えていますので、同時進行で活動していきたいと思っています。

-2点目なんですが、リンクの名称について質問をさせていただきます。リンクに自分の名前がつくことは、海外ではあるかもしれないですが、今回のリンクに真央さんのお名前がつくと、それは国内初、日本人初になると思います。そのことについては、どうお考えですか。

自分のスケートリンクができる、そして、自分の名前がスケートリンクになるというのはとても光栄なことです。

自分自身も、フィギュアスケートと共に成長してきたので、そういったフィギュアスケートへの恩返し、そして、今まで応援してくださった皆さんへの恩返しをこれからもしていきたいと思っています。

--立川で活躍される方たちを「立川人」と呼んでいるんですけれども、これからは真央さんも立川人として、その中に入っていただくことはできますか。

常に私はいると思いますので、もう立川人になっても大丈夫でしょうか(笑顔)よろしくお願いいたします。