【萩野公介】瀬戸は絶対的な練習量に裏打ちされた自信 平泳ぎでひとかきひと蹴りは世界で一番

男子400メートル個人メドレー予選で全体の1位となった瀬戸の平泳ぎ(撮影・足立雅史)

<競泳:日本選手権>◇第1日◇4日◇東京アクアティクスセンター◇男子400メートル個人メドレー決勝

瀬戸大也選手は、確実に今年の福岡、そしてパリまで見据えた戦いをスタートしている。泳ぎをひとつひとつ確認して泳いでいる感じだった。得意な平泳ぎに自信を持っていて、絶対的な練習量も感じた。4分7秒台は目指しているものがあるからこそのタイムだろう。

決勝では、最初のバタフライで本多選手が先行しても、焦らなかった。自分のバタフライを泳ぎ、背泳ぎでしっかり潜るなど、やるべきことをやって、4泳法、400メートルを泳ぎ切っていた。本人は「(動きに)キレがない」といっていたが、これからの調整でよくなっていく部分。練習でやったことを試合で100%出し切ることが大事だし、今回はできたのではないか。

私は現役時代、背泳ぎが得意で、平泳ぎが苦手だった。瀬戸選手は平泳ぎが得意で、背泳ぎが苦手。ちょうど裏表だったから、瀬戸選手の平泳ぎに誰よりも一番近くで脅威を感じていた選手だったと思う。特にターン後のひとかきひと蹴りが良く、瀬戸選手が世界で一番うまいと思っている。特徴的なところは、水中で「気をつけ」の姿勢になった後から、頭1個分ぐらい伸びること。これは持って生まれた天性のもの。その技術があるからこそ、ストロークも大きくなるし、呼吸が少なくなっても耐えられる練習をしている。

400メートル個人メドレー(4個メ)が泳げるから、多くの種目にも出られる。4個メの練習は競泳の中で最も厳しい部類のもの。それを強い気持ちで継続している瀬戸選手は、純粋にすごい。本当に水泳が好きで、自分の中でやり残したことがあると思っているのだろう。頑張る姿を応援したいし、瀬戸選手に限らず、選手全員が頑張る姿をファンとして応援したい。(16年リオデジャネイロ五輪金メダリスト)