【競泳】池江璃花子3連覇「昨日棄権していなかったら多分、今日は勝てていない」勝つことに集中

女子100メートル自由形決勝で優勝し笑顔を見せる池江(撮影・横山健太)

<競泳:日本選手権>◇第4日◇7日◇東京アクアティクスセンター◇女子100メートル自由形決勝

女子100メートル自由形で予選3位の池江璃花子(22=横浜ゴム)が3連覇を飾った。

決勝で54秒17を記録し、初日の100メートルバタフライと2冠。世界選手権(7月、福岡)派遣標準記録53秒61には届かなかったが、優勝を狙ったレースで勝負強さを示した。男子200メートル平泳ぎは渡辺一平(26=トヨタ自動車)が、22年世界選手権銀メダル相当の2分7秒73で3年ぶりに優勝。女子200メートル平泳ぎ2連覇の今井月(22=バローHD)らとともに代表切符をつかんだ。

 

残り50メートルに池江の意地が詰まった。前半を27秒22の4番手でターン。場内の歓声に乗り、両隣で競り合う中京大3年の神野、五輪経験者の白井の前に出た。「ここで勝ってこそ。本番で強い選手、弱い選手に分かれる。今は勝つことに集中した」。東京五輪代表の2位池本を0秒14差で振り切り「勝ち切れたのはよかった」と客席に手を振った。

絶好調とはいえなかった。前日6日は200メートル自由形を棄権。中2日の間隔を取り「昨日、棄権していなかったら多分、今日は勝てていない」と明かした。一方で準備は怠らない。この日午前の予選後、前日の男子100メートル自由形決勝で日本記録を出した松元克央を訪ねた。松元のレースを画面で見るとターン後に手の回転、キックの強さでギアを入れる部分が自分の泳ぎと一致し、「大丈夫」と声をかけられた。イメージを目に焼き付け、あとは自ら体現するだけだった。

理想は先にある。自身が持つ日本記録は、白血病が発覚した前年の18年に樹立した52秒79。この日のタイムで約1秒半の差がある。「昔は自分の記録との戦い。周りのことは一切考えていなかった」。今は周囲を意識し、順位に重きを置く段階だ。派遣標準記録突破で2種目目の代表内定はならなかったが、常に世界を意識する。初日に代表をつかんだバタフライをイメージして言い切った。

「世界大会に行けば自分との勝負になる。いかにプレッシャーに負けずに戦えるか。もしかしたら結果を出しやすいかなと思う。自分に一番合ったレースの仕方を学んでいきたいです」

残すは50メートルのバタフライと自由形。強さと理想を追う日々は続く。【松本航】