<バレーボール・Vリーグ1部男子ファイナル:名古屋3-0サントリー>◇23日◇東京・代々木第1体育館
レギュラーラウンド(RR)首位の名古屋が7季ぶり2度目の優勝を果たした。同2位のサントリーに、3-0のストレート勝ち。昨年のファイナルで苦杯をなめた相手に雪辱を果たした。主将のバルトシュ・クレク(34=ポーランド)が32得点の活躍。プレーだけでなく、声がけや練習でも抜群のキャプテンシーを発揮し、チームを導いた。
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名古屋の大黒柱クレクが、喜びのあまりコートにうつぶせで倒れ込んだ。その大きな背中にメンバーが重なり合う。「まさにこの一瞬。悔しかったことや悲しかったこと、その思いが爆発した」。セットカウント2-0で迎えた第3セット(S)。4度のマッチポイントの末に、山崎から放たれたボールが相手コート内で弾んだ。7季ぶりの優勝を手にした瞬間だった。
昨季のファイナル、今季のファイナル4と、ここぞの場面で敗れてきた因縁のライバルを、最高の舞台で上回った。32得点を挙げ、攻守に躍動した青い目の主将は言った。「我々が犠牲にしてきたものがこの日に結実した」。
ブロック決定本数リーグ1位を誇る鉄壁の守備陣が機能した。今季のアタック決定率54・4%の最強スパイカー陣を相手に、リズムをつかませない。第1、2Sはブロックで11得点を挙げ、最終的には同決定率を39・8%に封じてみせた。
チームの中心には常に加入3季目、ポーランド代表のクレクがいた。世界ランキング1位(1月1日現在)の同国で主将として活躍。優勝した18年の世界選手権では最優秀選手に輝いた。選手に焦りが見えた第3Sは、大きな声を出して鼓舞。13-15のビハインドの場面では、スパイクを決めて自らの胸をたたいた。
抜群のキャプテンシーは、コートの中だけにとどまらない。練習では、若手にも自らの経験を惜しみなく伝える。ヴァレリオ監督は「彼の価値は試合だけでない。ものすごい練習量。選手のお手本」と評価。日本代表の高梨や山崎も「日本人にはいない。日ごろから厳しくて、ギアを上げてくれる」と口をそろえる。
そんな精神的支柱は試合後、メンバーに語りかけた。「このリーグは本当に簡単ではない。優勝者に自信の名前を連ねられたことに誇りに思う」。世界で活躍する男が認めるVリーグの力。優勝は、名古屋を一回りも二回りも大きくする。【勝部晃多】
○…サントリーはストレート負けを喫し、チーム2度目の3連覇を逃した。エースのムセルスキーら攻撃陣が封じられ、アタックでの得点はチームで35点にとどまった。第3Sには粘りを見せたものの逆転にはいたらなかった。キャプテンの大宅は「今できる自分たちの力を出し切った。相手が完璧なゲームメークをしてきたので実力で負けた」と完敗を認めていた。
◆ウルフドッグス名古屋 1961年に「豊田合成トレフェルサ」として9人制でスタート。81年に6人制へ移行し、Vリーグには第5回から参戦。降格を経験したものの2014-15年シーズンは3位に入り、15-16年シーズンに初優勝。19年に現チーム名となった。ホームタウンは愛知県稲沢市。23年度の日本代表登録メンバーは永露元稀、高梨健太、山崎彰都、小川智大。