<柔道:全日本選手権>◇29日◇東京・日本武道館◇体重無差別
16年リオデジャネイロ五輪(オリンピック)男子100キロ超級の銀メダリストで、一昨夏の東京五輪でも代表権を勝ち取って5位だった原沢久喜(30=長府工産)が5大会ぶり3度目の優勝を逃した。
準々決勝で90キロ級の田嶋剛希(25=パーク24)に反則負け。相手は今年の世界選手権(5月、ドーハ)で混合団体戦の代表に選ばれている実力者とはいえ、自身は191センチ、120キロ、田嶋は172センチ、90キロという体格差を生かせず。担ぎ技の連発に手を焼いて、防御が続いたところで3つ目の指導を受けた。
「相手のペースで試合を進めすぎた。終始、攻められてしまった。久々の優勝を何としても…と準備してきたけど、自分の軸をつくる前に入られ、さばかれてしまった。(優勝が)かなわず、悔しい」
自国開催でメダルをつかめず、失意に暮れた東京五輪の後は、所属を変えて再出発。しかし昨年の全日本選手権で、優勝した斉藤立(21=国士舘大)に準決勝で敗れた。斉藤とともに、その全日本で準優勝の影浦心(27=日本中央競馬会)が来月の世界選手権(ドーハ)代表に。3番手の死守、からの大逆転へ日本一が不可欠な大会だったが「これが最後のチャンスだ」と挑んだ結果、非情にも2階級下の田嶋に敗れる結末が待っていた。
「パリ五輪は自身の中でも厳しくなったとの認識か」と問われると「はい」と即答。3大会連続の五輪出場は絶望的となった。「力及ばず、悔しいの一言」。今後については「今はまだ考えられないですね」と率直に話すことしかできなかった。【木下淳】