卓球女子でオリンピック(五輪)3大会連続メダル獲得の石川佳純(30=全農)が1日、現役引退することをインスタグラムで発表した。「私、石川佳純は、4月のWTTチャンピオンズ・マカオ大会をもちまして現役を引退することを決めました」と記した。
エースとして五輪2大会連続メダルとなる銅メダル獲得に貢献したリオデジャネイロ五輪女子団体決勝を、当時の紙面で振り返ります。(年齢、所属などは当時)
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卓球女子団体の日本が、2大会連続メダルとなる銅メダルを獲得した。シンガポールとの3位決定戦で3-1の勝利。主将の福原愛(27=ANA)は第1試合のシングルスで敗れたものの、第3試合ダブルスを伊藤美誠(15=スターツ)とのペアで勝利。15歳の伊藤は勢いそのまま、2-1で迎えた第4試合シングルスも制して、表彰台に導いた。決勝進出を決めた男子に続き、日本初の男女アベックメダルを達成した。
第2試合のシングルスに登場した石川佳純の逆転劇が、銅メダルへと勢いづけた。第1ゲーム、3-7と一時は4点差。最後は7-10から5連続得点。前回のロンドン五輪女子シングルス3位決定戦でストレート負けしたフェン・ティアンウェイにリベンジを果たすストレート勝ち。ミスしても舌を出して苦笑いするほどの精神的な余裕が、チームにも波及した。
続くダブルスでは第1試合を落とした福原が伊藤との「あいみま」ペアで実力を発揮。丸顔にお団子ヘア、体形も戦型もそっくり。小気味よく入れ替わりながら、素早く攻撃を仕掛けて得点を重ねる姿は、まさに「分身の術」。得点すれば福原の「サー」の声に合わせるように、伊藤も「サー」の声で同じようにガッツポーズ。第2ゲームでは10-9からの伊藤がかろうじて返した打球がエッジに当たった。準決勝ドイツ戦では見放された運も味方につけた。“サー姉妹”が銅メダルへとチームをさらに加速させた。
初めて団体で銀メダルを獲得したロンドンから4年。“3人娘”を引っ張ってきたのは福原だった。度重なるケガや体調不良があり、一時は世界ランキングで伊藤に抜かれ、平野美にも肉薄された。リオ五輪出場を諦めかけそうになる弱気の虫が顔を出すこともあった。代表権獲得後は村上監督から初めて主将に任命された。15歳の伊藤に、23歳でエースに成長した石川。指揮官が「おっとり長女、マイペース次女、しっかり型の末っ子」と表現する関係。「今までは平野早矢香さんがチームをまとめてくれていた。初めて、あっ自分が一番上なんだと気がつきました。できることを私なりにやれればいいと思っています」。福原は自分色の主将でスタートした。
3人を中心にカラオケに行ってリラックスする時間もつくった。福原と石川がモーニング娘。の代表曲「恋愛レボリューション21」を「超超超 いい感じ」と振り付きで歌っても、00年の発表時に0歳の伊藤は「???…知らない」。リオでは伊藤に「寒くない? 上着、着た方がいいよ」と声をかけるなど、長女というより母のよう。12歳差ある世代ギャップが愉快な関係を築いてきた。
ロンドン五輪、その後の世界選手権で守ってきた中国に次ぐ2番手の地位からは後退したが、2大会連続でメダルは獲得。リオでかなわなかった「打倒中国」の思いを、最強トリオが4年後の東京へとつなげた。