異国の地での忘れられない味がある。
16年リオ五輪前哨戦と位置付けられた同年3月の世界選手権クアラルンプール大会。「記者の皆さんも、白いご飯がそろそろ恋しくなっていますよね。ぜひ、たくさん召し上がってください」。ジャージー姿にエプロンをつけた石川佳純からの、おにぎりの差し入れだった。外はスコールの豪雨だったが、口に広がる塩加減と白米の甘さに、心は温かくなった。練習前に早起きして、1つ1つ丁寧に自身で握ってくれた逸品だった。
こっそり「石川さんの卓球以外の夢ってなにかあるの?」とも聞いた。
石川 私の力の源は白米なので、米を1から作ってみたい。苗を育て、田植えして、稲刈りして、精米して、私が食べるまで。卓球は一年中試合があって世界を回るので現役中は難しいのかなあ…。自分のお米ブランドとかもうれしい。
中学生から世界を渡り歩き、自分の時間も少なかったと思う。現役引退は残念だが、次は稲作デビューでの“佳純米”に期待だ。【15~16年卓球担当=鎌田直秀】