【カーリング】「あの時は辛かった」日本勢最高準V松村・谷田組「楽しくない」本音交わして成長

カーリング混合ダブルスの世界選手権で日本史上最高となる銀メダルを獲得した日本代表の谷田康真(左)松村千秋組(C)JCA

ぶつかり合った日々を乗り越えて、日本カーリング界に新たな歴史を刻んだ。

4月29日に閉幕した混合ダブルス(MD)世界選手権(韓国・江陵)で、日本史上最高の銀メダルを獲得した「チャッスーペア」こと松村千秋(30=中部電力)谷田康真(28)組が1日、オンライン会見に出席。松村が「最高の舞台で決勝を戦えたこと、そして最高の結果を出せたことをうれしく思う」と笑顔を見せれば、谷田も「手応えと充実感を感じる」とかみしめた。

2大会連続出場の2人は1次リーグ(L)開幕8連勝を収め、B組首位通過を決めると、準決勝でもノルウェーのペアを5-4で下し、日本勢初のメダル獲得を確定させた。決勝こそ米国のペアに2-8で敗れたものの、大躍進を遂げた。

谷田はその要因を「ミックスに主軸を置いて活動するという気持ちが一致したこと」と分析する。前回大会を1次L敗退を喫した後、2人はそろって混合ダブルスへの専念を決断。国内には同種目専門のペアがいない中、谷田は昨年6月に4人制のコンサドーレを退団し、松村も4人制の中部電力で控えのリザーブに回るようになった。

ただ、当初は前途多難だった。初参戦した9月の海外ツアーで準優勝するも、続く2大会目は4強。「早く優勝したい」と結果を求めるがあまり、お互いから「カーリングをやっていて楽しくない」との声が漏れるようになった。松村は「2人しかいないという、ダブルス独特の難しさがあった」と振り返る。

そこで2人がとったのは「これからどうするのか」を前向きに話し合うこと。本音を交わすことで「楽しいことばかりではないけど、辛いことを乗り越えた時に楽しいものが見えてくることもある」と方向性を定めた。松村も「あの時は辛かったですけど、なくてはならない分岐点」と位置づける。ペアとしての関係は徐々に強固となった。

今年1月上旬の米ツアーを初制覇すると、2月下旬の日本選手権は9勝無敗で優勝。谷田は「世界でやれるかもしれない」と好感触を手にし、今大会の快挙へとつなげた。

26年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック(五輪)へ向け、来季からは出場10カ国(開催国イタリアを含む)の座を巡る争いが始まる。日本は正式種目に採用された18年平昌大会から2大会連続で出場を逃しているとあり、チャッスーペアにかかる期待は大きい。

松村は「日本のカーリングとしても、次の(世界選手権)2大会でポイントを勝ち取って五輪に出るのは大事だと思う。そこに自分たちが絡んでいきたい」と言葉に力を込めた。

「体力づくりを見直していかないと」と引き締める谷田は、早くも来季を見据えている。「具体的には決まっていないが、2カ月くらいは体をしっかり休めて、7月から夏合宿で体力づくりをし、秋からは遠征へ出て武者修行をしたい」。

次こそは金色のメダルを-。2人の挑戦は続いていく。【藤塚大輔】